≪ 京都古寺を巡る ≫
- 寺社巡りが楽しくなる京都ガイド -
本テーマ 7
〈 蓮華王院・三十三間堂 〉
堂内を埋め尽くす
1001本の千手観音
= 平清盛が創建した東山七条の寺院=
1164(長寛2)年、
後白河法皇の勅命により、
平清盛が、
法皇の離宮・法住寺殿の一角に
創建したのが
蓮華王院。
当初は五重塔などの堂宇が並び
隆盛を極めたが、
後にすべて焼失してしまう。
これを後嵯峨上皇が
1266(文永3)年に本堂のみ再建し、
現代の三十三間堂のかたちにした。
日本一長い木造建築物として
知られる本堂は、
正面の長さが、約120m
奥行きが、22m
高さが、16m
という壮大さ。
内陣の柱間が「33」あることから
三十三間堂の名で広く知られている。
現在は
妙法院の境外仏堂となっている。
桃山時代に始まったと言われる
「通し矢」は、
本堂の南側から北側の的に向かって
矢を斜通し、
弓の矢数を競う競技で、
現在は
古儀にちなんだ弓道大会が
毎年1月に行われています。
= 一体ごとに表情の違う観音像を拝する =
三十三間堂の最大の見どころは、
本堂内に並ぶ金色の1001体の
千手観音像。
中央の須弥壇には、
鎌倉時代の名仏師である湛慶作の
中尊・千手観音像が安置され、
両側に各500体、
等身大の観音群像が前後10列で居並ぶ。
1体ごとに表情の異なる1000体の
千手観音立像は、
頭上に11面の顔を持ち、
両脇から40体の手が伸びる。
1000体のうち124体が
平安時代の創建時、
876体が鎌倉時代の再建時、
さらに1体が室町時代の作で
湛慶を中心とする慶派ほか、
円派、院派などの仏師が、
彫造にあたったと言われている。
また、
最前列には
千手観音の随従者で
信者を守る神通力を持った28体の
彫像・二十八部衆立像が、
そのさらに両端には
風神・雷神像が安置されている。
これらの像は
いずれも檜の寄木造で彩色され、
玉眼も嵌め込まれた
鎌倉時代の作品である。
★本堂に並ぶ千手観音立像★
-重要文化財-
表情や装飾、眼に至るまで
一体こどに個性のある像が整然と並ぶ様子は
壮観の一言!
1000体の像の中には
会いたい人の顔に似た像が
必ずあると言い伝えられています。
500体には作者名が
残されています。
★中央の中尊千手観音坐像★
-国 宝-
湛慶晩年の82歳のときに完成した
千手観音坐像。
檜寄木造に漆箔を施した姿は荘厳ながら、
穏やかな顔立ちと
均等のとれた姿が見事!
錫杖や蓮など持ち物にも注目したい。
★躍動感のある風神・雷神像★
-国 宝-
インドの聖典「リグ・ヴェーダ」に登場する神を
日本化して表現した像で、
後世の二神のイメージを決定づけた名作。
制作には
本堂再建時の統括者・丹慶が関わったと
伝えられています。
★日本一長い木造建築物の本堂★
-国 宝-
南北約120mという長さの本堂は、
内陣の柱間が33ある。
庇の間が巡らされており、
実際に外から見ると柱間は35。
基礎地盤や梁の架け方に工夫があり、
地震にも強い構造となっています。
★花が見事な池泉庭園★
東大門と本堂の中間辺りにある
手水舎を挟み、
南北両側に設けられています。
鎌倉時代の造園法をもとに
作られた庭園の周囲は、
4~5月にツツジが美しく咲き誇る。
- DATA -
《 住 所 》
京都府京都市東山区三十三間堂廻り町657
《 交通アクセス 》
市バス博物館三十三間堂前から徒歩すぐ
《 拝観時間 》
8時00分~17時00分
受付は閉門30分前迄
《 拝観料 》
¥600
《 宗 派 》
天台宗
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★ 龍虎 俊輔 ★
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