虚空にたゆたうもの ゆらゆらと


満天の中にただ一つ 散りばめられる


吹き荒ぶ風の中 じっとその身を忍ばせ


静かに 優雅に それを待ちつづける


流れゆく星を見 溶けゆく月を見


何度繰り返したろう 時は満ちた


それは突如 緩やかに 密やかに


虚空にたゆたうものは ゆらゆらと


満天の中に現れ 大きく広がり全てを飲み込むかのように


全てを受け入れるかのように


遠く 永く それを待ちつづけた少年


天への道しるべ 闇への道しるべ


辛く永い時を流れた風は


今 少年を運ぶ


何処とも知れぬ 刻の回廊へ