合格者の15人を残して、後の参加者たちはステージから退場した。
一人ひとりが丁寧に感謝を込めて、会場に向かって深々と一礼をして去って行った。
ステージ上には、次の審査に進む15人が、前に出て来て横に並んだ。
藤堂が言った。
「合格された15人の皆さんです。おめでとうございます!」
「ありがとうございます。」
15人がそれぞれお辞儀をしながら礼を述べた。
藤堂がエントリーナンバー順に、名前を呼んで、感想や抱負を聞いていく。
但し、峰子については、フォトジェニック賞だった事から、順番を一番最後にすると説明した。
きっと、峰子のスピーチ内容が衝撃的なので、大会事務局が他の参加者に配慮して、前もって順番を入れ替えたのだろう。
藤堂は、キチンと公平になるように全員の話を聞き、何人かの審査員に話をふると、にこやかに言った。
「では、皆さん、今度はイブニングドレスで再び登場して頂き、1分間スピーチをしていただきますよ。ご準備をお願いいたします。」
藤堂はそう言って、手の平で退場を促した。
合格者たちが舞台袖にハケていくと、待ち構えていた15人のヘアメイクさんが、マンツーマンで付いた。
ドレスへの着替えの時も、皆にフィッティングサポートが付いて、ドレスの着付けがスムーズに行われた。
そして、髪型とメイクをゴージャスなものに変えて整えると、皆、また全然違う印象になった。
当に、変身!という感じだ。
鏡に映った自分の姿を見た峰子は、新しい自分を発見したような、新鮮で面白い気分になった。
全員の用意が整うと、順番に舞台袖に整列した。
峰子は案内されるままに、一番最後に並んだ。
いよいよ最後の審査が始まる。