坂道を ずっと 歩いてる
「これは夢だな~」
私は 気付いたが そのまま歩いた
坂道だということは わかるのだが
上り坂なのか 下り坂なのか わからなかったから
これは 確実に 夢なのだ
歩きながらも 冷静に 私は そう考えている
周りには 何もない 雲の中のように
白い光だけが ぼうっと あって 滲んでいる
行き先は わかっていた
長くて高くて白い 果てのない石段の あそこへ
私は 向かっている
進んでいく内に 周りが 一気に 明るくなった
眩しくて 目をふさいで 立ち止まった
真っ白な 温かい 閃光に包まれて
しばらく 私は そのままていた
段々 光に慣れて来たので 目を開けると
やはり 石段があった
ここでいつも遭う 日に焼けた あの人が 現れた
お決まりの 白装束が 今回は リアルに見える
細かい所まて 鮮明だった
彼は おもむろに 光の渦を 目の前に出して
私に 渡して 言った
「大切にするんだぞ」
「わかった」
受け取りながら この際なので 少し 会話した
「ところで、あなたは誰なんですか?」
「わたしは君の担当だ」
彼は 私を見て ニヤリと 笑った
毎回 ここで遭う彼は 怒っているので
笑った顔は はじめてだった
そして この笑顔には 見覚えがある
とても 懐かしい 顔だった
私は この人を よく知っているのだ
「ありがとう、おじさん」
「もう時間だ」
そう言って 彼は 挙手した
ここで 目が覚めた
目が覚めても 私の目の前には
銀河系が 沢山集まった
光の渦が 浮かんでいた