城無くて人を呼ぶ沼田城跡に昇る スーパームーン

 

 沼田上跡の公園 再建された鐘楼

 

段丘の下の公園から沼田城趾を見上げて

かつて城在りし段丘の空仰ぐ形なくてここに守り来しもの

                              田村奈織美  「短歌研究1月号」より

 

沼田公園を散歩していて

御殿桜の下辺りで ふと感じました。

「守りたい」という思いを

 

城を 守りたい。

国を 守りたい。

家族を 守りたい。

子どもを 愛する人を 守りたい。

 

守りたいものがあって

戦った。

不幸にして 昔は 殺し合った。

 

でも

戦うと言うことは殺し合うこととイコールではない。

殺し合う相手は 誰かの守りたい人だから

戦わなければならなくなったとき

お互いの よりよい道を探って

譲り合いたい。

 

そうすれば

灯をともして我が子を待つ

母のもとに みんなが 帰れる。

 

昔、初めて 山道を越えて この街に来たとき

何か 気品を感じたのです。

何だろうこの感じ。

東京土産を買ってきて

あらっと 思うことがある。

 (ここのお菓子の方が美味しい。)

夫が言う

 (城下町だから、お城にお菓子を届けた伝統がある。)

 

城跡の片隅の剣道場から

女子校生の 高い声が響いてくる。

剣道も盛んなこの町

 

城は壊されて今は無いが

形はなくて 遺されている 守られているものが

この町にはたしかに在る。

 

故郷の友達がいう。

沼田を

愛しているね。

こそばゆいけど

そうなんだなあ

      と思う。

我が町をうるわしと 幾たび思う。

宝ものをたくさんもっている町だ。

 

 

今 この公園に 観光バスを呼んでいるのは

真田の物語 形のないもの。

 

ああ、だからこそ

今 多くの人たちが 思うのかもしれない。

お城が欲しい。

物語が 風化してしまわないうちに

守り行く心が 散ってしまわないうちに

シンボルが欲しいと。

これも 一つの 夢。

沼田城趾から名胡桃城趾方面を臨む  雲の下に上に 町がある

 

 

初越の  こみちに ようこそ

沼田城から、みなかみへ 名胡桃城へ  夢をつなげよう。

 

 


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