"USB付き"VMC-002 XLu TUB レビューと使い方 | D3 BLOG in 広島

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最近、流行っているWeb配信にたまたま知人から譲り受けたDJミキサーがまずまず使える製品だったので、レビューと、PCを接続して使うやり方をここに記録する。



Vestax VMC-002 XLu TUB


2020年現在でも中古市場やオークションサイトに頻繁に出品されており、比較的安価で入手しやすい製品である。
(古い機械なので状態の程度に気をつける必要有り)



・まず注意
VMC-002シリーズは初期の無印、XLなどバージョン違いの製品があり、これらにはUSB端子が付いていない。
製品の天板上のUSBの文字、裏面USB-B端子を確認することを推奨する。(上位機のVMC-004シリーズも同様)



・Web配信を考えている方へ補足
DJミキサーはもちろん2個以上のマスターアウト端子を備えたオーディオミキサーであれば、USBの有無に関わらず有効な配線とPCのオーディオ設定を行うことでサウンド配信に使うことが可能である。




機器の性能評価
VMC-002XLuは現行2chミキサーと比べてとてもクラシックな仕様である。

音量を確認するレベルランプはチャンネルのみでマスターレベルは無し。
レベルランプはフェーダーを上げないと点灯しない。

入力はPhono2個とLine2個、MICが1個。

USBは入出力を兼ねており、PCの音をミキサーから出す場合は右のCh(PGM2)に入力される。

マスター出力はXLR端子1組、RCA端子が2組。


3バンドEQはアイソレーター仕様。
Vestax製ミキサーのアイソレーターはいずれも他社製に比べて音がよく切れるので個人的にかなり好きだ。


クロスフェーダーはカットとミックスの2パターン切り替え可能。

ヘッドホンのモニタリングはCueの切り替えを天板のフェーダーで行い、マスターとCueの切り替えは前面にあるスイッチで行う。
※マスターとCueで音量がかなり違うので頻繁に切り替えて使う気にはなれない。


音質は全体的に図太く、音の解像度は狭い。

DJの自宅練習で使うには申し分ないが、PCを介した類の音楽再生において音質がいまひとつで、低レートのMP3を再生しているかのような音がする。

CDJやレコードプレーヤーであれば値段相応の良い音を聴くことができた。


ノブの操作具合は旧型らしく硬め。
フェーダーは現行主流機器と比べれば安物感があるが年代相応の質感で不満はない。





・USB入出力を使った利用方法

この機器ではUSB A⇆Bケーブルを使って、PCの音をミキサーへ入力、またミキサーのマスター音をPCへ入力することが可能である。

本来であれば専用のソフトが製品に付属していたらしいのだが、
Windows10のPCにて接続するだけで機器認証をすることを確認したので様々な汎用ソフトを使って音楽を聴いたり録音したりすることが可能となっている。


(USB Audio CODECの文字がVMC-002XLuを認識していることを示している。画像のソフトはOBS studio)



・PCの設定
電源を入れたVMC-002XLuとPCをUSBケーブルで接続し、PCのスピーカーアイコンもしくは設定(旧コントロールパネル)よりサウンドコントロールパネルを開く。
詳しいデバイス設定の仕方はこちらのページがわかりやすく解説している。


PCの音をミキサーに送る場合は、再生デバイス選択欄よりUSB Audio CODECを選択する。


VMC-002XLuのマスター音をPCで録音する場合は、録音デバイス選択欄よりUSB Audio CODECを選択する。
(録音ソフトにデバイス選択欄があればそちらで切り替えても良い。)



※USB使用時の注意
様々な曲や機材を使用して検証した結果、VMC-002XLuのUSBを通じて録音する場合、USBの音信号許容限界値がマスター出力の限界値よりかなり低いことがわかった。


簡単に言うと、ある程度を超えた音量を出した時、録音中のスピーカーから出ている音は綺麗なのに録音データは音が割れている状況が発生するのだ。



検証した結果、1Chのみ再生した時、Chレベルランプが0db点灯時にマスターノブの2〜3目盛り辺りまでがノイズ(音割れ)が発生することなく使用できる範囲だと思われる。



また、PCのサウンドデバイス設定で再生と録音の両方にVMC-002XLuのUSB Audio CODECを選択し有効にしている場合も、録音時にノイズが混じることを確認したので、録音する際は再生デバイスを無効にする必要があると思われる。

(いずれの検証も本機のみの結果であり、VMC-002XLu全個体が同様の仕様かどうかを確証するものではなく、またメーカーは倒産しているため問い合わせ確認もできないことをここに念書する。)





・まとめ
シンプルな構成の製品であるからか、今だに状態の良い個体を仕入れやすいように思うので、予算があまりないけどある程度使えるDJミキサーが欲しいという人にオススメしたい。

USBオーディオインターフェースとしてはとりあえず使えるものの、正直I-O DATAから販売されているUSBキャプチャーの方が安価で音質も使い勝手も良かったので、これは予備の備品として置いておこうと思う。

I-O DATAのUSBオーディオキャプチャーはこちら↓




以上
Ed