「…天音の主砲・藤川が倒れた。」
監督は重苦しそうに言った。
「はあ!?
マジですか!?」
2人はびっくり。
「さっき、ラジオで聞いた。」
監督は天音対銀河の試合をミニラジオで聴きながらいろいろしていたようである。
ちょうど、時刻は藤川のサヨナラホームランの時間だった。
「…じゃあ…。」
カズマは絶句した。
「…連絡次第だな。
とりあえず、これだけは言っておく。
予定は未定だ。
全員ミーティングで連絡する。」
監督は職員室に戻っていった。
数日後のミーティング。
「昨日、ちょうど連絡が来た。
天音が決勝を棄権した。
自動的にうちが本選に出られるようになった…。」
一同は少しざわつく。
「だが、あれはたまたま運がよかっただけかもしれない。
来年、彼らを実力で倒すため、そして…これから相手になる強豪どもをたたきつぶすためにも、これからの予定を教えておく。
明日は紅白戦を行う。
そして、大会が終わり次第、合宿に行こうと思う。
1週間、みっちり練習を行ってもらいたい。」
「はい!!」
一同に気合いが入る。
が、その後…。
「でだ。
今から明日の紅白戦のための予備くじ引き大会を始めるぞ!!」
「へ?
(紅白戦でくじ引き!?)」
まさかのくじ引き大会である。
「先を紅白に塗った割り箸がここにある。
これを指名した順に引いていくんだ。」
「(なんで指名順なんだ。)」
しかも真意がわかってもらってない。
「最初にやった赤青戦と違い、こっちはレギュラー陣も応援団もごちゃまぜでやるんだ。
あくまで本番想定の試合だよ。
これはこれで面白い試みだろ。」
ちなみに順に引いていくシステムは、ポジションの都合だから、そこは覚えておいてほしい。
ちゃんと説明をつけた途端…。
「ひゃあー!!
面白そう!!」
「まさに運次第だな。」
「大丈夫かな、俺で。」
皆、盛り上がる。
「(ふふっ、面白くなりそうだ。
これで皆のボルテージが上がってくれればいいんだがな。)」