連載小説(39) | 情熱派日本夕景

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宿の一室。
まあ、安いには安いのだが、それくらい大目に見てもいいだろう。
すでに爆睡中のセナの傍らで、シルビアはバイオリンの手入れをしている。

そしてアスカは、

「ところで、あなたを襲ったものというのは…。」

レグルスに質問をしている。
今後に役立つなら、という事らしい。

「…お前ら、奴をとっちめてくれるのか?」
「奴…ってことは、刺客は一人…。」
「というより、未確認物体が一個。
なんか…スライムみたいな…そんな形で、人を狙って食べようとする、汚らしい生物だ。
まあ、現物を見ない限りは分からんか。」
「あ、ああ…。」
「まあ、普通の反応だな。

とりあえず…僕と一緒に家に来てもらいたいんだが…。」

この問い掛けに、アスカは少し考えた。
元々、首都に行く為にここへ来たのだ。
本当はちんたらしている暇もないのである。


「…。
(パーティーまで残り僅か。
でも、この人は刺客に追われてる。
どちらを取るべきか。




ならば、助けた方がいいな。
むしろこの人が危ない。)

大丈夫ですよ。

あなたが刺客にやられるよりかはマシですから。」
「…ありがとう。」