連載小説(20) | 情熱派日本夕景

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「…でも、食糧っていうのはどこにあるんですか?」

セナが尋ねた。
確かに、彼女は配給で生活していたシャーテの民だ。
どうやって食糧を生産しているのかを知らないのもわかるような…。

「フフフ…。
気付かないのか?」

アスカは何か生意気そうな感じで、セナに話しかける。

「え?」

分かるはずもない。

「この辺りに食糧がいくらでも転がってるのをな!!」
「!?
本当に!?」
「ああ。
例えば、野菜はその辺りの草で十分だろうな。
肉はモンスターを倒して、そこから有り難く戴いてく。
米とかパンは…たまにくる盗賊から奪い取る。
まあ、それくらいかな。」
「なるほど。
食糧を確保するのって、大変なんですね。」
「当たり前さ。
野菜とか肉を一から作るとなると、何年かかるか…。
しかも、食べ物は繋がってる。
種を潰すと、必ず自分が滅ぶ事になる。
それだけは忘れるなよ。」
「はーい。
じゃ、どれくらい狩ればいいんですか?」
「量か…。
とりあえず、牡のクルル(鹿みたいなモンスター)七匹くらい狩るか。」
「了解!!」
「野菜とかはとりあえず別の籠に持っていく。
野菜は、ワシよりレオンのほうが詳しいはずだからな。」
「よーし!!やるぞ!!」
「(町の命運を握っている奴とはいえ、やはり子供だよなぁ…。)」


こうして、ノリノリで狩りを始めた二人だった。