月日は流れて
細かい問題はあれど運にも恵まれ日々面白おかしく10年が過ぎます。
(あまりにもざっくりとした振り返りですね。ご容赦)
若く軽薄なにいちゃんだったボクも50歳。上の子は中学生、末っ子も小学校高学年。妻も子育てひと段落で新しい取り組み(ピラティスのインストラクターさん)をはじめ我が家も第二章的な雰囲気です。
さて、ボクが成り行きで生業としたこの業界(そんな業界が存在するのかどうかはともかく仮にナレーター業界としましょう。)ではある壁が存在すると言われています。
ある程度の経験と技量が要求され、仕事量がピークに達するのが(人にもよりますが)30代から40代。仕事歴10年くらいのキャリアでしょうか。
それなりに人気稼業でもありますから下からの突き上げも多い。
年々新しい人材が生まれてくるわけですね。
使う方(監督、プロデューサー、クライアントの皆さん)にしてみれば、若くて元気でフレッシュ、指示もダメ出しも気楽にできる、しかも実力があるなら若手の方が使いやすいものです。ギャラも安く交渉しやすいってのもあります。とはいえ、もちろんベテランならではの落ち着きと安定感も大切です。おっさんも捨てたもんじゃない。
そのせめぎ合いの中で訪れるのが 50歳の壁 な訳です。
それまで順調だった仕事がだんだん減ってくる。いや、激減する。
成長曲線が鈍化するだけならまだしも下を向き始めたりすると怖いものです。
このままでは仕事がなくなってしまうのではないか。
多くの中堅ナレーター(有名ナレーター、トップナレーターは別だと思います。)が人生で最も資金の必要な時期に仕事激減という現象に見舞われるわけです。
中には事務所を移籍して新天地を目指す人、新しい芸風にチャレンジしようとする人、すっぱりと離職する人もいるようです。
御多分に洩れずボクも同様ですよ、ご同輩。
今や一家のあるじ、三人の子どもの父親。独り身の若い兄ちゃんとは訳が違います。
それなりに責任だってあります。「お金はないけど心配するな、そのうちなんとかなるだろう!」(©︎植木等)などと能天気に生きるのは並大抵の精神力ではありません。
世の中的にもボクが仕事を始めた頃から最近まで景気はずっと停滞。主たる収入源である広告の在り方もインターネットの普及とテレビラジオの凋落からびっくりするくらい変わってしまいました。
それでも例によって幸運まみれのボクは長女を授かった頃から携わらせてもらっている番組が長寿番組となりしかも局の顔となるような報道番組だったこともあり安定的に仕事を得ることができていました。
しかし、どんな人気番組でもいつなんどき終了するかは分かりません。
切羽詰まる前になんとかしなければ
一丁前に考えを巡らしました。
で。