地球外知的生命体探査と専門家細分化
○生命体探査の意図的な誤解誘導
H.G.ウェルズの火星人来襲以前から地球外生命体に対する好奇心は多くの人が持っていました。天文学者は火星の運河を火星人存在の証拠として、詳細な映像で運河ではないとされるまで火星人の存在は希望で有り続けました。
そのようなことがあって、地球外生命体探査についていつも宇宙人の探査であるといった誤解がついて回ります。探査にはいくつかの種類があります。まず、知的生命体で、これは知的生命体がその生活上又は他の知的生命体との交信を目指して発信する電磁波などを捉えようとしています。次は地球外生命体です。これは初期発生生物である単細胞生物やその生物だけが生成する痕跡物質などを彗星や隕石、月の石のような採取資料から発見しようとしています。それから、生物発生可能惑星で、海があって有機物の構成品物質があって落雷や高圧環境などが存在しそうな惑星とその惑星を持った恒星の探査です。最後は生物生存可能惑星です。気温や重力が水を保持できるような、大きさと恒星からの軌道距離を持った惑星の探査です。
これらのことがよく分類されず、誤解をされたり、意図的に誤解を誘導し、単純な恒星軌道惑星発見を宇宙人の可能性を発見した研究などと過剰な評価を受けようとしているような情報が散見されます。
○地球外知的生命体
電波天文台での探査は、もちろん知的生命体が電信を発明していたら、高精度の一定周波の電磁波を使用している可能性があるということですが、知的生命体の探査には大きなロマンティックな前提があります。それは、地球人が孤独な存在を恐れて宇宙での兄弟を探して、常にボエジャーのゴールデンディスクやアレシボ・メッセージのように宇宙へのメッセージを出し続けているのと同様に、宇宙人も何かしらのメッセージを宇宙に対して発信しているのではないかということです。
そこでは知的生命体の発見が極めて心細いツールしか持っていないということがわかる。

○生命発生惑星と生存可能惑星
生命発生惑星と生存可能惑星は明確に違います。生存可能惑星は生物の生存可能条件は明確ではないのですが、とりあえず地球の環境と同じ惑星を探査することで見つかりそうに思えます。そしてそれを持ってハビタブルゾーンという恒星と惑星の距離を示す条件となっています。地球に近い大きさの惑星でハビタブルゾーンに有る惑星が生存可能惑星ということにされている場合が多いです。
これについても地球環境が太陽との位置関係や半径、重力などで単純に成り立つものでないので、難しい問題ですが、生命発生となると一層難しくなります。生命発生惑星のデータも地球しかないのですが、この地球はかなり得意な複雑なでき方をしています。この条件の何を満たせば生命が発生するかは全くわかりませんし、そもそも地球の形成についてまだわかないことが多くて、条件を羅列することすらができません。
○地球型惑星と地球
そこで、宇宙学者は宇宙生命についての可能性については、ハビタルゾーンの惑星発見とハビタルゾーンの惑星数予測と地球発生に関わる事象の発生確率から、地球外生命の発生可能性を語る手法を取ります。地球の歴史上の決定的なドキュメントをそれの発生した惑星としなかった惑星に分けて、それを経験する確率を50%として事象分の掛け算をした結果が惑星数が十分に勝っていた場合には存在するはずであるという推定です。宇宙研究家は地球型惑星数を10の21乗個存在するとしています。これはいかなる条件を課したとしてもそれを上回るに違いないと思っていましたが、これを地球物理学、地学の専門家の研究で判明している地球が受けた極めて異常、例えば月を作ったかもしれない大規模な衝突で一旦惑星全体が溶融した経験や、彗星から大量の氷が降り注いだというような体験の数は最低でも35件あり、夫々0.1の確率で体験しているとすると10の-35乗のルートになる。これでは地球が宇宙のたった一つの解の可能性であることも否定できない事になってしまいます。