2013.1.12(土)1月普及能に行ってきました。
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林望先生は「一角仙人」の能としては珍しい猥雑さについて、太平記の一角仙人の出生を説明する記述と本来はあって今は上演されないアイ狂言の内容が同じで、その削除自体がこの能のありようを示していると話していただきました。
狂言「文相撲」は会話劇で、特に前半の太郎冠者と大名が雇う人数を問答するところは万蔵が派手目にやってもまだ足りないくらいで、茂山千作くらいの表現力がないと大笑いは難しいですね。
一角仙人は始まる前から変わっています。設えものが2つあって狭い舞台を本当に狭くしてます。始まり方も変わっていて登場や謡の前に囃子は出ずに、合いの手のように入ってから伴奏のように低く奏でている。
何よりも短い場面展開が次々と出てくるところが、情感よりも説話的な表現に感じられる。竜神の子方にしても狭い舞台で飛び回る姿が情感よりも竜神らしい元気さが見えて面白かった。
衣装も旋陀夫人、選任、竜神など多彩で楽しめる。また、竜神の一人が囃子で揚幕の直前で止まって、囃子が終わってから静かに引っ込むのが能らしくてとてもいい。
 
 
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アンケートの謝礼として配った栞
ボールペンよりいいね。