世の中には良い嘘と悪い嘘というものがあると言われている。
一般に良い嘘はついていい嘘、悪い嘘はついてはいけない嘘ということになる。
だが所詮嘘は嘘であることに変わりはない。もっと厳密に言えば噓をつくということは真実ではないことをさも真実のように言うことでなる。あるいは思っていないことを口にするということも入るのかもしれない。
誰かが良かれと思った嘘が原因で、誰かの不幸を呼ぶこともあるだろう。しかし人は自分の経験値で物事を考えたり計ったりするものだから良い嘘が良い影響を及ぼしたという成功体験に引っ張られて、「嘘はついてもよい場合がある」から「良い嘘はついてもいい、いやむしろつくべきだ」と考えてきたように思える。
ここまでの話からわかるように僕はできるだけ嘘をつきたくない。もし真実だけを話すことで誰かが笑ってくれるのならそうしたい。ただそんなにネタを豊富に持ち合わせているわけではない。むしろ現実に嘘を上書きして、塗りつぶして取り繕っていないような顔をして話している。
ついていい嘘はない。良いか悪いかなんて見る人次第で変わってしまう。はっきりしているのは客観的に見れば僕の話は真実ではないということだ。