作曲家でもありシンセサイザープログラマーでもある冨田勲さんが、
５月５日に慢性心不全で亡くなったとの事でした。
８４歳でした。
電子楽器の「シンセサイザー」の先駆者でもある冨田勲氏。
冨田さんが若いころ、
米国のアーティストのウェンディ・カーロス氏製作の、
前衛的音楽「スウィッチド・オン・バッハ」を偶然手にし、
ここで使われていたシンセサイザーの音に触発されたとの事。
そこから冨田勲さんの電子音楽人生が始まります。
（実はそのスウィッチド・オン・バッハのＬＰレコードは、
当時、レコード店のなんと「効果音コーナー」に置いてあったのですよ（笑））
その後、
１９７０年代前半に１０００万円もする非常に高価なシンセサイザーをアメリカから個人で輸入。
（パッチ式のＭｏｏｇ社製のモジュラー・シンセサイザー）
日本で第１号のユーザーとなりました。
※実はそのＭＯＯＧ社。
当時、最先端の楽器だったのにもかかわらず、ニューヨーク郊外の野原のド真ん中の、お粗末な物置小屋が本社だったらしいです（笑）。
っで、その巨大なモジュラーシンセサイザーの説明書がたった１５ページしかなく、
かなり苦心して冨田勲さんは音を出したらしいです。
あの楽器、発信機回路から、フィルターを通過して、アンプまで、上手く最後までパッチコードで繋がないと音が出ないからね（笑）
その弟子が、ＹＭＯのサポートメンバーの松武秀樹さんです。
そう、アナログ機器の性質というか、２４時間常に電源を入れっぱなしにしないと安定しないので、
冨田勲さんが就寝中は、松武秀樹さんが機材をいじらせて頂き研究したとの事らしいです（笑）
その後、冨田氏は、TBSブリタニカの委嘱をうけ最初の作品「銀河鉄道の夜」を発表。
続けてシンセサイザーによる「月の光・ドビュッシー」を制作完成しました。
この作品は、
オーケストラのすべての音色づくりはもちろん、
全パートの演奏と録音も冨田氏自身が一人でこなしたものでした。
現在では当たり前となった、個人の自宅にパーソナルスタジオという制作現場を造り活動するというスタイル。
つまりレコード会社の録音スタジオでの音楽制作作業が主流の時代に、個人宅にて作業を行ったのです。
そういった方法の先駆者でもあるのですよ。
※そのスタジオ。
Ｍｏｏｇの１０００万円のほかに、アンペックス社の１６ＣＨのマルチレコーダーと、ミキサーも含めた周辺機器で総額４０００万円はかかったとの事。
音楽として成功をおさめなければ、大損害ですよね（笑）
マルチレコーダー用の録音テープも１５分の長さしか買えなかったとの事です（笑）
たった１６チャンネルじゃねぇ、
パーカッションだけで１０個ぐらいは使用するから、
何度もミックスダウンして苦労したんでしょうか？
以上で、このブログ内での冨田勲さんの話題も今回で終了です。
今ある、世界中のポップス音楽が、
当たり前の様に電子楽器で成り立っているあたりは、
この方の若いころの苦労のおかげなのかもしれませんね。
冨田勲さんに感謝です。
↑●ＮＨＫニュース解説のオープニングテーマソング。
音源は単純無垢なサイン派を少し手を加えた感じですが、今聞くと、非常に新鮮です。
↑●ＮＨＫ新日本紀行のオープニングテーマソング。
富田勲さんによる作曲です。
日本の情緒あふれる景色を感じる昭和の名曲。
冒頭のホルンの音で始まり、拍子木の音が、ひじょうに哀愁を優しく漂わしてますよね。
西洋楽器でここまで和風漂う音楽を作りこむ出来事は、
当時としては衝撃的な事だったのです。
実は、この曲は、君が代のメロディをベースにしているといわれてます。
その君が代は、日本の牧歌的雰囲気なメロディの特徴のヨナ抜きです。
（ヨナ抜きとは、４番目と７番目を抜く、ドレミソラです。）
なお、この新日本紀行の曲を手本にしたのが坂本龍一さんで、
映画ラストエンペラーのサウンドトラックは、この曲の旋律を似ている事は興味深いですね。
っで、ＮＨＫ番組の「みんなのきょうの料理」のテーマソングも、
実は冨田勲氏の作曲なんですよ。
↑映画ラストエンペラー サウンドトラック 作曲：坂本龍一
↑ラストエンペラー 映画の予告篇
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■ ■・・・・ＹＯＵＴＵＢＥ仮置き場・・
（以下、別記事の話題です）
↑ＮＨＫラジオの毎朝の放送開始時にかかっていたこの曲。
僕には真冬の寒い朝を思い出します。
懐かしく感じる方も多いのでは？
すごく癒されますね。
昔は、農村の田舎の朝は、アナログ有線電話から、このメロディが朝の５時前から自動で流れてました。
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