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いよいよサッカーワールドカップ・ブラジル大会も間もなく開幕。
そして「南米ブラジルで発展した音楽」の特集も総まとめです。
ブラジルの音楽の特徴は、
リズムの複雑さ、和音の多様さ、ポルトガル語で歌われるメロディーの美しさなど、世界に類を見ない発展性のある音楽ばかりです。
また多くの地域からの移民たちによって育まれた混血文化の国という事で、
多種多様な音楽が生まれているとも言えるのです。
①サンバ
4分の2拍子のダンス音楽。
それは19世紀の終わりごろ、ブラジル北東部の港町のサルバドールで発祥したといわれています。
2拍子の強烈なビートの上に、パルチード・アルトと呼ばれる細かなリズムが刻まれます。
生音が持つ強さ、サンバのリズムが刻む前へ前へという躍動感、そして何より民衆の音楽である事のパワー感。
つまり力のある音楽という事ですね。
代表的ミュージシャン:
カルトーラ (Cartola)
ネルソン・カヴァキーニョ (Nelson Cavaquinho)
カルメン・ミランダ (Carmen Miranda)
パウリーニョ・ダ・ヴィオラ (Paulinho da Viola)
メストリ・マルサル (Mestre Marçal)
②ボサノヴァ
リオ在住の若手ミュージシャンが発した音楽です。
中産階級の若者たちの求めていた心地よく洗練されたサウンド、
「新しい感覚」のサンバとして成立しました。
ボサノヴァのギターのパターンはサンバ楽器の「タンボリンとスルド」を1人で表現したものです。
2拍子で刻まれるベースがスルド。
パルチード・アルトとよばれるリズムを刻む和音がタンボリンというパーカッションの役割、
というわけです。
↑ボサノヴァの範疇にとどまらない最重要音楽家、アントニオ・カルロス・ジョビンと絶大な人気を誇った歌手、エリス・ヘジーナ。
代表的ミュージシャン:
アントニオ・カルロス・ジョビン (Antônio Carlos Jobim)
ジョアン・ジルベルト (João Gilberto)
ヴィニシウス・ヂ・モライス (Vinicius de Moraes)
ジョアン・ドナート (João Donato)
ナラ・レオン (Nara Leão)
③パゴーヂ
少人数でだれかの家に集まって酒でも飲みながらサンバ演奏をしようといった気軽な音楽。
つまりは少人数のサンバセッションです。
そして若者を中心に人気の音楽ジャンルです。
誰かの家の庭に楽器を持ち寄って演奏するようなユルさが魅力ですかね。
↑パゴーヂの代表的グループがこのフンド・ヂ・キンタウ。
代表的ミュージシャン:
フンド・ジ・キンタウ (Fundo de Quintal)
ジョルジ・アラガォン (Jorge Aragáo)
アルリンド・クルス(Arlindo Cruz)
ゼカ・パゴジーニョ(Zeca Pagodinho)
④ショーロ
ヨーロッパの室内楽に ブラジルのリズムが加わったもの。
そうブラジル伝統音楽です。
そして洗練されたサウンドを特徴としていますね。
ブラジルのジャズと称されることがあるのですが、即興を重視した音楽としてはジャズよりも歴史が古いのです。
そして伝統的な音楽ながらも、都会的なサウンドの雰囲気も持ってますよ。
↑3姉妹ユニットによる"ショーロの父"ことピシンギーニャの楽曲の演奏。
代表的ミュージシャン:
エポカ・ジ・オウロ(Conjunto Época de Ouro)
ショーロ・ダス・トレス(Choro Das 3)
ピシンギーニャ(Pixinguinha)
ハミルトン・ジ・オランダ(Hamilton de Holanda)
ジャクソン・ド・パンデイロ(Jackson do Pandeiro)
⑤ MPB
「ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック」の意味です。
初期のMPBは、当時流行したロック音楽をブラジル的に変化させたものですね。
↑歌姫、マリーザ・モンチ
代表的ミュージシャン:
イヴァン・リンス (Ivan Lins)
エリス・レジーナ (Elis Regina)
カエターノ・ヴェローゾ (Caetano Veloso)
ジョルジ・ベンジョール (Jorge Ben Jor)
マルコス・ヴァーリ (Marcos Valle)
⑥MPB - ミナス派
ブラジル内陸部、ミナス・ジェライス州出身のアーティストの音楽。
この地方のフォルクローレや教会音楽、さらにビートルズ等の影響を受けたと思われる独特な浮遊感のあるサウンドが特徴ですね。
↑ロー・ボルジスの"街角クラブNo.2"。
代表的ミュージシャン:
ミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)
ヴァギネル・チゾ(Wagner Tiso)
ロー・ボルジス(Lo Borges)
トニーニョ・オルタ(Toninho Horta)
ダニーロ・カイミ(Danilo Caymmi)
⑦ノルデスチ
ノルデスチとは、「北東部」の意味。
つまりブラジル北東部出身の音楽の事です。
アフリカ系ブラジル人の割合が多い地域であることから、リズムにもその特徴が含まれていますね。
↑独特のギター奏法を駆使するレニーニの代表曲。
代表的ミュージシャン:
エグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)
レニーニ(Lenine)
シコ・サイエンス(Chico Science)
シルヴェリオ・ペッソア(Silverio Pessoa)
メストリ・アンブロージオ(Mestre Ambrosio)
⑧フォホー
ブラジル北東部の田舎で育まれた音楽。
アコーディオン、低音太鼓、トライアングのトリオ編成が基本なのです。
↑ブラジルのトップアコーディオン奏者、ドミンギーニョスとの共演です。
代表的ミュージシャン:
ルイス・ゴンザーガ(Luiz Gonzaga)
ドミンギーニョス(Dominguinhos)
コブラ・ヴェルヂ(Cobra Verde)
シブーカ(Sivuca)
ファルマンサ(Falamansa)
⑨ アシェー
リオのカーニバルが「サンバ」なら
バイーア州のカーニバルは「アシェ」と言われるほど人気があるダンスミュージックです。
パーカッションの強さとリズムの多彩さが特徴の様ですね。
↑チンバラーダはバイーアのパーカッションを中心とした大所帯バンド。
代表的ミュージシャン:
カルリーニョス・ブラウン(Carlinhos Brown)
ダニエラ・メルクリ(Daniela Mercury)
チンバラーダ(Timbalada)
イヴェッチ・サンガロ(Ivete Sangalo)
パランゴレー(Parangolé)
⑩セルタネージョ
歴史としては大変に古い音楽です。
ブラジルのカントリーミュージックという感じ。
この音楽スタイルとしてはアコースティックギターとデュエットボーカル。
素朴だからこそ、親しみやすい音楽といえますね。
↑兄弟デュオであり、セルタネージョのトップアーティスト。
代表的ミュージシャン:
ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ(Zezé di Camargo & Luciano)
ジョアン・ボスコ&ヴィニシウス(João Bosco & Vinícius)
ミシェル・テロ(Michel Teló)
セザール・メノッティ&ファビアノ(Cesar Menotti e Fabiano)
ヴィトル&レオ(Victor & Leo)
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