ウルトラマンアルファ 第1話 計画の始まり  
後編

宇宙忍者 バルタン星人 アルファタイプ  

登場   

本編↓



食事の準備に取り掛かる彩音とそれを手伝う茜


その様子を 壁に持たれて 腕を組みながら見つめる京介。

服も 新調してもらい 上からおさがりのロングコートを羽織っている。

彩音曰く 使う機会がなかった物を祖母から譲り受けたと言うが

京介は さっき見た 辺りの者達と服装の違いが目立つのでは?と思いながらも慣れるか と自分を納得させて 我慢する事にした。


その後 

茜、彩音と共に食事を取り  京介は バルタンが現れるまで1日を過ごす。

…………


〜城下町〜


「フォッフォッフォ!!!」

「ば、バケモンじゃー!」

バルタン星人 アルファタイプは 1人の薬屋を始末し、体を乗っ取っていた。



そして 彼は 同じく 地球侵略を企む同志達を集め 宇宙人連合を立ち上げるのであった。

………

夕方

京介は元気に城下町を走る茜と追いかけっこをしていた。

最初は本気で追い抜かしたりしていたが 茜が泣いて駄々をこねた為 手加減してあげる様になり 今では早歩き程度に。

「京介様ー!こっち!こっち!」

「おい、もう良いだろ。はぁ……子供は相変わらず元気なやつばかりだな」

と他所の星で出会った子供達の事を思い出しながらも 茜を追いかける。

後ろを何度も振り返りながら 走る茜は 前方不注意で 人にぶつかってしまい ドサっと 尻餅をついてしまう。

「っ……ご、ごめんなさい!あ、あの……」

「イインダヨ。キミ、オカシハイルカイ?」

「え?良いんですか?」

「ウンウン、イインダヨイインダヨ」

ぶつかられた男はカタコトで話しながらキャンディーを取り出し 渡す。

茜の手がキャンディーに触れる直前 京介が大きな声で叫ぶ。

「その男に惑わされるな!」

「え!?」

茜が後ろに振り返ると 京介が男を睨みつける様に見つめながら立っていた。

「ニンゲン……イヤ、チガウ」

「なんだその言葉は。それで惑わせると思っていたのか?バルタン星人」

ぞろぞろと人が周りに集まる中 正体を見破る京介

男は観念したのか 直ぐに星人姿になり、茜を含む人間達を驚かせる。

茜は京介の背にしがみつく様に隠れ 震える。

「フォッフォッフォ!!わざと 姿を見せた事も気付かないとは……愚か者めぇ!」

腕を掲げながらバルタン星人はみるみる巨大化していき 40メートル級の巨体に変化した。

当然それに伴い 辺りの建物は足元の範囲だけでかなりの 被害が出ている。

京介は茜を避難させ 下がる様に命じた後 

逃げ出す群衆の中 変身アイテム アルファソードを片手に召喚する。

「バルタン星人…お前は俺が倒す!」



全ての群衆が彼を抜けた後 アルファソードの鞘から抜き、天に掲げ 自身の名を叫ぶ

「アルファ!」

その声に反応して 剣先が光輝き

京介の体はウルトラマンアルファに変化してグングンと巨大化する。

その光景を人々は 茜が見つめる中

ウルトラマンアルファは

江戸城下町に出現するのであった。


α型のカラータイマーはヒビ割れたまま だが気にせず 構えるアルファ

「ウルトラマン、宇宙ではやられたが この地球、この国の重力では本来の力を引き出せまい。それでも戦うと言うのか?」

「当然だ。何の為にお前を追って来たと思っている」

「ここに居る者達の犠牲も考えずに戦うのか?フォッフォッフォ」

「………」

構えを一瞬だけ解き 辺りの声を吸収するアルファ

怯える声や 犠牲者が出た事に対する恨みの声 

そして2人が姿を現した事により

その際に出た死者の怨念までも耳に入ってくる。

「人間を守るつもりでお前と戦うつもりはない。俺は俺の任務を全うするだけだ」

「フォッフォッフォ!それでこそ非情なアルファよ!」


バルタンは鳴き声を上げながら左右にハサミを向けて 光線を発射する。

「!」

アルファはそれに驚き 急いで倒そうと両腕を十字に組んで 光線を放つが 

届く前に バルタンは2本のハサミから放出した光線で防ぎ 更に 腕を4本増やして 一気に畳み掛ける。

アルファの光線は打ち破られ  虹色の光は彼の巨体を薙ぎ倒し、建物と人に覆い被さった。


カラータイマーの音が激しくなりだし 起きあがろうとするも 力尽きてしまったアルファは 

徐々に京介の姿に戻っていく。


「グッ…!?バルタン星人……!」

「辺りを見よ。これが私とお前との戦いで引き起こした破壊なのだ。お前は人間達に恨まれ 次に、私によって消滅するのだ!その時まで せいぜい 力を付けておくのだな!フォッフォッフォ!!」


バルタン星人アルファタイプは 人間体となった京介にハサミを向けて宣言した後 姿をくらました。

京介は傷だらけの体を起こして 何とか立ち上がる。

そして 辺りを見渡すと 江戸のど真ん中にある建物の3割が壊され 両者の巨大化、バルタンの光線、アルファが破れた際に起きた衝撃波

これによって死者と負傷者はかなり 出てしまった。

京介の姿を見た一部の人達が周りに集まり いざ 何か罵声でも浴びせようとした時だった。

群衆の中から 茜が飛び出し 京介の手を引っ張って隙間を抜けるように走りさろうとする。

しかし 京介を許さない人達は途中 彼の服を掴んだりするが 茜は負けずに引っ張り 京介を自宅へと避難させた。

………

「しばらく ここに隠れていた方が良いと思います。1日だけじゃなく、皆さんの辛い心と京介さんの辛い心が癒やされるまで」


「………良いのか?」

「はい。訳ありの人を匿うのは母の代から慣れております。きっとお母様でも そうしたでしょうし。ね?茜」

「はい…!京介様は私達が守ります!」

町の住人に非難された京介を2人は元気づけ

以降 京介は 神宮寺家に居候する事になった。


「奴を倒すまで、しばらくの間 世話になる。ありがとう、茜。彩音」

京介は少し笑みを浮かべて 2人に礼を言って 

家事の手伝いをするのであった。



〜〜


妖麗町

本陣

「ア・ル・ファ♪ 久しぶりね。250年ぶりかしら。わたしを……追って来たわけではなさそうね」
 
「ヤツハ、ワタシヲオッテキタ。オマエデハナイ」

「そんな事は知ってるわ。冗談よ。で?何が望みなの?早くしないとぶっ殺してあげるわよ?」

「ヨウケンハ、ヒトツ。オオクノヒメイトオオクノイノチ。セイメイ、ワカラナイ。リカイシタイ」

バルタン星人が化けた人間体と話す 妖麗な女は 足を組んで不敵に微笑み 彼の言葉に耳を傾けるのであった。


おしまい


あとがき

ウルトラマンクロス 第1話をお読み頂きありがとうございます

久しぶりにブログの小説投稿を再開して 最初の一発目の作品です。

雰囲気だけでも楽しんでもらえたら…‥嬉しいです

次はいつになるのやら……汗

コメントなど 是非是非お待ちしてます