熱くなる主題歌

 

 真っ先に思い付いたのが、ガンダムWの『JUST COMMUNICATION』。当時は、英語が全くわからなかったので、サビの冒頭「Just wild beat communication」を「ジャッ!ワッ!ビッ!コミュニケーション!」と歌っていたのを思い出す。


サビ終わりの「tonight」は「トゥナイッ」と、ドヤ顔で歌っていた覚えがある。「トゥナイト」ではなく「トゥナイッ」と発音するのが、ネイティブアメリカンであると言いたげな感じで。いずれにせよカタカナ英語だよって、当時の自分に言ってやりたい・・・、いや、あたたかく見守ってやるべきか。


次に思い付いたのは、08小隊の『嵐の中で輝いて』。僕の兄の名前が「嵐」だったこともあり、サビ冒頭の「嵐の中で輝いて その夢を諦めないで」を歌うたびに、兄が誇らしげな表情を浮かべていたのを思い出す。本人の中では輝きを放っているつもりだったのかしら。真相は分からない。今更聞こうとも思わないが。


『嵐の中で輝いて』は、「嵐」というインパクトのあるワードを冠しながら、曲を聴いてみると、とても繊細なメロディーで、子どもながらに驚いた記憶がある。今考えると、“嵐が吹き荒れるような厳しい状況でも凛と輝いて”といったような意味合いが込められているんだろうなと思う。花でいうタンポポのような。けれども、当時は、何にも分かっちゃいなかった。「嵐」に、ただただ反応していただけだった。我ながら、思慮が浅い少年だったな。


ガンダムZZ『アニメじゃない』も、僕と兄は、揃いも揃って、「いやアニメやんけ(笑)」と、低レベルなツッコミを入れていた。まぁ年齢を考えれば無理もないか。ただ、それを言うなら、“所詮アニメのことだろう?”と、冷めたスタンスで接するのではなく、ガンダムZZの世界観を、現実で起きている出来事かのような臨場感で、味わって欲しかった気もする。


いや、それもそれで、よろしくないか。現実世界と仮想世界の区別がつかなくなるというのもね。没入感も行き過ぎると問題だ。う〜む、バランスをとるのが難しい。冷めた状態で接しても得られるものは少ない気がするし、かといって、熱しすぎても、周りが見えなくなる気がするし…。ちょうど良い塩梅が見当たらない。


ただ、一つ言えることは、子どもの頃は、そういう“斜に構えた態度”をとることが、なんだか、カッコ良いと感じてしまうものだ。それはある。スカした感じで、“俺はお前らみたいに浮かれたりしないぞ”と、一人、仏頂面を浮かべる。それが一番イカしてる。少なくとも、昔の僕は、そう考えている面が、少なからずあった。本当はそれが一番ダサいことにも気付かずに…。


「熱くなる主題歌」というテーマを語ってきたはずなのに、ハートが、熱くなるどころか、どんどん冷えてきてしまったので、ここいらで終わりにしておく。


 

 

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