私の苦手なこと

 

 

 タイトルに「マルチタスク」と書いたが、複数の作業を同時並行で行うこと全般、非常に苦手としている。近頃では「マルチタスクとデュアルタスクは似て非なるものだ」という考えが一般化されつつあり、無茶なマルチタスクは逆に生産性を下げる要因になる、と言われて来ていて、助かっている側面もあるのだが、おそらく僕は、いわゆる「デュアルタスク」と呼ばれるものでさえも、苦手としている。それぐらいダメなのだ。一つのものを一つずつ進めていかないと、何がなんやら、わけが分からなくなってしまう。


具体例を一つ挙げる。僕が何かしら考え事をしているとする。相手は、僕が何も行なっていない(≒暇そうに見える)ことから、「ねえねえ」と話し掛けたとする。しかし僕は考え事をしている。そうなると「考え事」と「コミュニケーション」を同時並行で進める必要が生じる。そうなると強い負荷がかかって、それがストレスとなるので、僕は「ごめん。今ちょっと考え事しているから。話し掛けないで」と相手の会話を一方的に打ち切ってしまうことがある。(もしくは会話を止められなさそうなら考え事をやめざるを得ない)


こうなった場合、僕に「ねえねえ」と話し掛けて来た人は、僕が「考え事をしていたから会話を打ち切られた」と受け取るのではなくて、「話し掛けられるのが嫌だから適当な理由を付けて会話から逃げた」と受け取るらしい。100%そうだ、とは言えないにしても、僕の経験上、70〜80%はかたい、と言い切って良いはずだ。それを知ってからは、そもそも、人前で考え事をしないようにしている。なぜなら、いつ声を掛けられるか分からないからだ。急にマルチタスクが発生しないよう、シングルタスクすら行わないように努めている、ということになる。


そうやって考えると、世の中の人間は、特に、外向的と呼ばれるような、人前で居る時間がかなり長いタイプの人間は、どういうメカニズムで生活しているのかしらと思ってしまう。とてもじゃないが、僕には出来ない。一人の時間をかなり確保しないと、この世の中で、元気に暮らしていく自信が無い。


“出来の良し悪し”と言ってしまえばそれまでだが、はたから見ても、器用そうに立ち振る舞う人を見ると、本当に同じ人間なのだろうか、人工知能チップが組み込まれた高機能AIなんじゃないのか、と勘繰りたくなる時さえある。

 

 

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