僕は怪獣だ。

遠くでサイレンが響いた。

爛れた皮膚に歪な牙

咽び泣きの声が顎の下から聞こえる

静かに遠くを見つめた 街の一角に固まったままで

「やい、お前の様な醜い怪獣は死んでしまえ。」

誰かの合図で群衆がどよめく

それでも立ち続ける 街の一角

大粒の悲しみが目元から首筋を伝う

たまらず倒れ込んだ

祝杯の声が聞こえる

さっきとは違う感情の籠った泣き声が聞こえる

コメディを見るかの様な笑い声も微かに聞こえる

すべて確かに聞こえる

誰に何を言われよう、されようと

深い暗闇の中 君の声がそこで響いているなら

僕は永遠にそこで彷徨い続ける事ができる

静かに目を閉じる