「ゴスペル」 | 泳ぐ写真家龍之介

「ゴスペル」



アメリカのゴスペル番組で、
ゲストで常連だったのがこのパティ・ラベル。
ルックスも声量も「こぶし」も度迫力で、この人が歌い始めると、
興奮で足踏みしながら、エンディングが延々と続き、
曲がなかなか終わりませんでした。
もう終わりかと思うと、また、エンディングのリフが続いて、
もうトランス状態(恍惚、ハイ状態)で、聴衆も大興奮でした。
そう、ゴスペルにトランス状態はつきものなのです。

ハーレムにある福音派の教会では、
聖歌隊のゴスペルに合わせ、皆が歌い、踊り、
次第にトランス状態に上り詰めて行きます。
ミサが終わりの頃になると、
教会の前には、誰も連絡もしないのに、
救急車が2~3台やってきます。

そして、ミサが終わると、
失神したおばさんたちが担架に乗せられて
運び出されるというわけです。
友人のアパートから教会を見下ろしながら
その光景を唖然としながら眺めていました。
映画「ブルースブラザース」の教会でのシーンは、
誇張でもなんでもなかったのです。

なにがそうさせるのか、分からなかった私は、
一度、知り合いの誘いで、ミサに参加してみました。
そして、その私が、危うく、救急車のお世話になりそうになりました。
酒も薬の力も借りずに、これだけの、興奮と至福を味わえるのは、
ゴスペル以外にありません。
ジーザス・クライストのパワーは偉大で、永遠です。