「レイ・チャールズ」

盲目の天才歌手レイ・チャールズは、驚異的な耳を持ち、
録音の時に、わずかなミスでも聞き逃すことが無かったそうです。
そして、ミスがあると演奏をストップさせ、
「おれは、2度しか歌わないからな!」と言って、
プレッシャーをかけたそうです。
この文句は彼のトレードマークみたいになり、
映画やドキュメンタリー番組のいろんなシーンで登場しました。
話は変わりますが、
私の別れたかみさんは、ミュージシャンでした(今でも現役です)。
音大出身のソプラノで、絶対音感と、驚異的なピッチの正確さで、
主に、スタジオミュージシャンとして活躍していました。
そのかみさんといっしょに、ある日、
レイチャールズの登場するドキュメンタリー番組を見ていたら、
案の定、
「おれは、2度しか歌わないからな!」
が登場しました。
2人で、
「お~出た出た(ノ゚ο゚)ノ!こんなこと言われたら、
回りは緊張で死にそうになるだろうな~」と盛り上がりました。
時は経って、レイ・チャールズが来日しました。
コンサートとは別に、テレビ番組用の録音をすることになり、
急遽、3人編成のバックコーラスを組む事になり、
なんと、かみさんにその依頼がきて
黒人の歌手と一緒に歌う事になりました。
そして、
録音の時になって、誰かが、ほとんど分からないようなミスをして、
かみさんは、「あっ、まずいな」と思ったそうです。
その時です。
レイ・チャールズは、演奏を止めさせると、静かに、厳かに
「おれは、2度しか歌わないからな!( ̄^ ̄)」
と
言ったそうです。
かみさんは、プレッシャーを感じるより、
「あれは本当だったのだ!」
レイ・チャールズが
「おれは、2度しか歌わないからな!」と言った!
と感激してうれしくなったそうです。
録音はなんとか無事終了したそうです。