「自動目標追跡装置」 | 泳ぐ写真家龍之介

「自動目標追跡装置」

昆虫も、動物も生まれて来たときに、必ず、
3つの「自動目標追跡装置」が備わっています。
それは、
○生きるための食べ物を探すという目標
○生き残るための危険回避という目標(敵から身を守る)
○子孫を残すという目標
です。
これらは、親から教えられなくても、備わっているので
本能という都合の良い言葉で表現されています。
そもそもこれらの目標を求めること=生存ですから、
昆虫も動物も目標をもっていないと、機能しないということになります。

これは人間も同じだそうです。

人間は、動物と違って、目標の質や形が変わって来ましたが、
それでも、目標をもっていないと、肉体、精神ともに正常に機能しないと
研究者たちは、指摘しています。
私もまったくそのとおりだと思います。

多分、痴呆症やアルツハイマー病も、
そのような視点から説明できる部分があると思います。

ペット(犬や猫)のぼけや不自然な病気もそうでしょう。
仮に1匹だけで手厚く、マンションで飼われていると想定すると、
最初の3つの目標追跡からは、全く解放されて、
生きる「目標」が亡くなってしまうからです。
肉体に異常をきたすのは当然だと思います。

目標を求めて追跡しているという本能をもって
正常に生きるようになっているのですから、
そうでないと、いろんな不具合が出てくるのでしょう。
平和すぎて、安定しすぎると、
動物をはじめ人間にとって、大きな危機がやってくる
と言ってよいと思います。

ヨガや仏教の修行者は、
「心の平和」という国の住人ですが、
彼らには、仏に近づく、悟りを開くという
壮大な目標があります。

会社を定年まで勤め上げることが目標で、
それが達成された途端、
目標を設定できなくなって
痴呆症になった知人がいます。

目標設定というのは、
人生において、プライベート、ビジネスに関わらず、
持っているのが、本来の自然な状態なのです。