「5000ドル稼ぐ男」 | 泳ぐ写真家龍之介

「5000ドル稼ぐ男」

今から60年ほど前の話です。
アメリカの伝説的なセールスコンサルタント、エルマー・ウィーラーが
不思議なセールスマンに出会ったそうです。

彼は、人口が少なく非常に条件の悪い地域に派遣されても
人口が多く、購買層も多い地域に派遣されても
年に、ほぼ、5000ドル、売り上げたそうです。

他のセールスマンは、条件が悪い地域だと、彼に及ばず、
逆に条件が良い地域だと、彼より稼いだそうです。

条件が悪い地域で5000ドル稼ぐのなら、良い地域に派遣されたら、
売り上げは増えるはずです。
しかし、
そのセールスマンは、
「自分は、年に、5000ドル稼ぐセールスマンだ」という信条を持っていたので、
暗示にかかったように、
条件が良かろうが悪かろうが、それ以上もそれ以下も稼がなかったそうです。

人は不思議なもので、例えば、年に500万稼げればよい。食って行ければ良いと
思い込んでいると、
絶対に、それ以上は稼げないそうですね。

実は、私がそうだったのです。

今から20年ほど前、私は、年に○万円収入があったら生活できるから、
そのくらい稼いでいれば、良いだろう。
と考えていました。

当時バブル期、同業者たちは、私より遥かに稼いでいました。
私は、条件は良かったのに、売り上げは伸びず。横ばい状態。
そして、
バブルがはじけて、同業者たちは、廃業に追い込まれたり、
売り上げは激減しました。

しかし、

私の売り上げはそのまま。バブル期と同じ。

想念は現実化するとは、まさにこのことだと、実感します。
「このくらいの稼ぎがあったら、良いだろう。」
は、
「これくらいは、稼げるが、それ以上は、稼げない」と同じことです。

収入に関しては、人それぞれ、価値観や世界観があって、
一概には、どれが正しいのか言えませんが、

「このくらいで良いだろう」は、様々な分野で、
確実に、自分で、自分に限界を設けていると思います。
そして、それは現実化します。

ちょっと怖い話でした。