「人脈を広げる」 | 泳ぐ写真家龍之介

「人脈を広げる」

私は、全く見知らぬ土地(海外、特に欧米)でひとりで、生活を始めるときには、

まず、近くに、教会か、空手道場があるか?探すようにしています。


ニューヨークでは、まったく知り合いのつてもなく生活を始めました。


そして、すぐに、近くの教会と空手道場に通い始めました。

特にアメリカでは、教会はどこにでもありますし、

空手道場も田舎まで普及しています。


教会も空手道場も、ある意味、コミュニティです。

日本と違い、老若男女、多種多様な職業の人々がコミュニティを形成しています。

警官からシシリアマフィア、チャイニーズマフィアが混在しているところなんて、

教会か空手道場しかありえません。

神の下では皆平等、道場師範は、人種、職業による、差別、対立を厳しく禁じていました。

警官もマフィアも教会や空手道場にいる限り、仲が良かった?のです。


このおかげで、私は、何不自由なく、生活の知恵やアドバイスを得ることができましたし、

安全に関する知恵も、警官、軍人、チャイニーズマフィアのおにいちゃんから

仕入れることができました。

思いがけない、仕事でのコネクションも得ることができました。

そして、

なにより、かけがえのない友人が何人もできました。


中南米から不法越境してくると、皆、まず教会に集まってきます。

そして、そこから生活が始まります。

教会のコミュニティは宗教というものを抜きにしても、

人間個人、家族の次に位置する、単位です。

そこには、「会社」は含まれません。

「会社」は「生活」ではないからです。


欧米やシンガポールから転勤で、東京に住むことになると、

平社員から、極東支社長クラスまで、

まず、例外なく、教会に通ってくるようになります。

生活を始めるにあたっての情報を得るためです。


東京では、


アングロサクソン系は、港区のセント・オルバンス教会に集まります。

ドイツ系は大森界隈の教会、

ユダヤ系は、日赤本社近くのシナゴーグ(ユダヤ教会)です。

モスリムは確か駒込にあるモスクだったと思います。


そうすると、瞬く間に、あらゆる層、職業間にコネクションができあがり、

生活互助システムが作られます。

そして、集まる毎に、

頻繁に情報が交換され、

情報収集、ビジネスチャンスに繋がっていきます。


中国の場合だと、華僑のコミュニティでしょう。


日本が情報戦に弱いところは、

このような、世界に広がる網の目のようなコミュニティがないことにつきます。

日本では、商社やNGOが、頑張っていて、その役割を担っていると言えますが、

なんせ、規模が違いすぎます。


多くの人々が無欲で集まってくるところ、

そこにこそ、有益な情報と、ビジネスチャンスが隠されているのです。