「ビジネスの手腕」 | 泳ぐ写真家龍之介

「ビジネスの手腕」

日本人は、「商売」が、世界的に見て、びりに近いほど

下手だと言われています。いや、そういう評価を受けています。

島国で、民族の移動にさらされなかったので、それは仕方ないところもあります。

アラブも中央アジアも中国も、ヨーロッパも、いろんな価値観、考え方の人種が入り混じって、

騙し騙されの修羅場をくぐって来ているので、

鍛えられ方が違うのでしょう。


ユダヤ人(ユダヤ教徒)の世界では、

「旧約聖書から、生きていくうえで必要な知恵を抜粋した教科書」とも言える

「タルムート」を、子供の頃に無理やり暗記させるそうです。

そうすると、

人生で、商売を含めいろんな危機に遭遇したときに、

その一節がふと頭をよぎって、

それによって危機を脱したり成功への糸口を見つけることが多いそうです。

これは、ニューヨークでラビ(ユダヤ教の坊さん)に聞いた話です。

ユダヤ人の実業家で、「タルムート」を読んだことがない人は

皆無でしょう。


具体的な、ビジネス手腕というのは、もっと現実的なものでしょうが、

そのバックボーンに、

4000年にわたる旧約聖書の知恵があることに驚きます。

それをしたたかにデータベース化して、子供の頭にインプットしてしまう知恵に

感心してしまいます。


イスラムの世界も同じです。

最近イスラム金融が話題を集めていますが、

何の商売にしろ、彼らの行動様式の根本は、コーランです。


日本はどうでしょうか。

以前はそれがあったと思います。

儒教的な宗教観です。

儒教的な考えで世の中に尽くすという考え方の

企業家が大勢いたように思います。

著名な企業家では松下幸之助がそうでしょう。


私はビジネスの根底にあってもっとも強力なもの、

それは信じきれるパワーだと思います。

具体的に言うと宗教、もしくは宗教的な考え方でしょう。


世界に通用するような新しいビジネスモデルが

ほとんど登場しないような現在の日本の状況は

当然と言えば当然の帰結かもしれません。



旧約聖書の箴言集(Proverb)に

「7つの知恵の柱」(Seven Pillars of Wisdom)

という一節がありますが、

その件は、おどろくほど儒教的な世界観と共通しています。

具体例として示されている人間の行動は、

昨日、書かれたのではないのか?と思うほどリアルです。

人間のやっている事は4000年前も今も変わっていないと思います。

だから、宗教や儒教に示される教えは

民族宗教を超えて我々に同じことを訴えかけていると思います。


そこから学ぶことが

ビジネスでの本当の成功の秘訣なのかもしれません。