「不安な国民」 | 泳ぐ写真家龍之介

「不安な国民」

日本の経済が再び活気を取り戻し、

みんなの給料が今より上がったとしても

おそらく日本人は、将来に対して不安だし、不満なのだろうと思う。


私は一般的な日本人よりは、世界を見聞きしていると思うが、

日本は、最も、格差が少ない国のひとつだと断言できる。

格差は無いに等しい。

今みたいな状態を格差などと言っていたら、

資本主義は存在できなくなる。


ニューヨークに住んでいた頃、

通っていた空手道場で、

ドミニカ共和国から不法入国してきた男性と知り合いになった。

体ひとつで国境の川を渡って、入国し、

日雇いで働きながら子供を7人もうけたそうだ。

子供は当然アメリカ国籍なので、

彼も家族としてアメリカ国籍を入手したわけだ。

そして、立派な家をブルックリンに建てて、

立派なニューヨーク市民として生活している。


そんなやって、国境の川をパンツ一枚で渡ってきて、

日雇いや農奴をしながら家族を持ち、

成り上がっていく多くの人たちがいる。

こういう生命力、ダイナミズムが日本人にはない。


これだけお金と時間をかけて英語を学習して、

これだけ英語が下手な国民は日本人以外にはいない。

それは当然だろう、

海外に移民したり、出稼ぎして働く必要がないからだ。

英語は趣味なのだ。

生活の手段ではないのだ。


それだけ日本は恵まれすぎていると思う。

価値観とか見方を変えれば、

安全で、とても生活し易い国なのだ。


外から見ればそのことがよく分かる。