「結婚を無効にする」
欧米、とくにカトリックの国々では、
神の前で誓った結婚を反故、つまり離婚すると、
もう2度と正式に結婚できない建前になっている。
人口にして、約8億人の人がこの宗教文化の中に生きている。
知り合いに、大学の物理学教授にしてカトリック司祭がいる。
アメリカ合衆国国籍の初老の白人だ。
彼に、一度結婚したカトリック教徒が
再び、教会で、神前で結婚できる方法があるのか聞いてみた。
彼は「それは可能だ」と言う。
彼の考えによると、
夫か妻のどちらかに、正当な、別れたい、という理由があれば、
その結婚を「無効」にできるという。
「無効」になった「結婚」は、もともと無かったも同然だから
当然、再婚は可能となる。
いかなる理由があっても離婚を認めないカトリック教会の
司祭の言うことだけに、ちょっと驚いた。
しかし、
「神に永遠の愛を誓う」結婚も
厳然たる契約であるのだ。
契約は場合によって無効にすることができ
それはなかったことになる。
事業の契約もそう。
人と人との付き合いと言って、
それだけで商売がなりたつこともある日本は、
最も商売が下手な国民のひとつだと言われる。
欧米、中近東の国々に比べ、
あきらかに技術力でリードして、
あきらかに商売で負けている日本に欠けているものを
彼らの、一般生活の考え方に見ることができる。