「広告写真とエディトリアル写真」
の違いを一言で言えば、
広告写真は、アートディレクターの作品で、
エディトリアル写真は、それを撮った写真家の作品である点だ。
広告写真は直接的には、写真家が撮ったものだが、
アイデアやコンテ、それをどう撮るのかという演出は
アートディレクターがほとんどを決定する。
私の場合雑誌の仕事では、
編集者から「カラーで縦位置で撮ってね」程度の要求以外は
ほとんど白紙委任状だった。
通常は、撮影のアイデアは写真家任せと言ってよい。
写真というものの生命が、それをどう撮るのか、
という写真家のアイデアや想像力に依存していることを考えると
広告写真は、写真を撮っているという感覚がない。
少なくとも、私はそう感じていた。
広告写真はフラストレーションが溜まり
エディトリアルの写真は楽しい。
しかし、
広告写真のギャラは高く、
エディトリアルのそれは安い。
世の中はなかなか難しい。