「四十九日の不思議なできごと」 | 泳ぐ写真家龍之介

「四十九日の不思議なできごと」

人が亡くなって、
仏教では49日、キリスト教では40日経つと、
それまでこの世にあった魂が、
あの世へと旅立つと言われています。
仏教の慣習では四十九日の法要ですね。

わたしを含め、
身内を亡くされた方のいろんな話を聞くと、
身内が亡くなってしばらく
不思議な出来ごとに出会ったという話を良く聞きます。
皆同様に、亡くなった方の気配をしばらくの間、身の回りに感じ、
不思議な現象に遭遇したというのです。

私は、父の死に目に会うことができませんでした。
まだ、大丈夫だろうという医者の予想を信じて、
海外ロケに出かけてしまったからです。
父は「絶対に仕事に穴をあけるな」
と常々言っていましたから。
それに従ったのです。
出発直前に、ふと気になって、
成田から携帯で、病院の母に連絡をとると、
父が亡くなった直後でした。
私は、スタッフにはすべてを伏せてロケを済ませ無事に帰国しました。

私は、いつも、ロケでは重い機材を使うため、
空港近くの私設のパーキングまで車で行って、
帰国までそこに車を停めています。
その駐車場からは、
スタッフがマイクロバスで空港まで送ってくれて、
逆に帰国のときは、空港から電話をすると、
再びマイクロバスで迎えに来てくれるというわけです。

夜、帰国した私は、
駐車場の事務所に携帯で迎えに来てくれるように電話しました。
すると事務所のスタッフが
「ああ、龍之介さんですね。
ちょっと前に到着のお電話をいただいたので、
もうマイクロバスは着いているはずです」
と言います。
私は狐につままれたような気持ちになって、
電話の主について聞くと、
「歳を召したような感じの男性の方だったと思います」
という返事。
後日、身内、スタッフに確認しましたが、
誰も私が車を停めている駐車場の事など知りようがなく、
そのときの迎えの客は私ひとり。
信じられない話ですが、
父が霊界から電話をしたと結論づけるに至りました。

なにか釈然としないまま、
車で東関東自動車道経由で湾岸高速を通過、
ディズニーランドの脇に差しかかると、
渋滞が始まりました。
と、突然、私を待っていたかのように
ディズニーランドで花火大会が始まりました。
そのタイミングも実に不思議でした。

その後、
父は笑顔で私の夢の中に出て来て、
それ以来、気配を感じなくなってしまいました。
今度こそ、本当に旅立ってしまったようです。