「イタリアへ里帰り」 | 泳ぐ写真家龍之介

「イタリアへ里帰り」





イタリアロケでのこと、

シエナを早朝暗いうちに車で出発して

フィレンツェ方面に向かっていると

トスカナ名物の霧で先が見えないような状態になり

道に迷ってしまいました。


仕方なく、そのまま進んでいると、

小高い山に迷い込み、

行き止まりにある修道院につきあたってしまいました。


聞けば、その修道院はモンテ・オリベト修道院といって

イタリア国宝のセントベネディクトのフレスコ画があるところです。


編集者と、よい機会だからと、あちこち撮影させてもらいました。


担当の修道士と話をしていると、

私が身に着けていた、セントベネディクトのお守りが

そこの修道院で作られたものであることが判明。


私は、昔お世話になっていた目黒のベネディクト修道院で

そのお守りを入手したのですが、

ちょっと神がかった偶然に

驚いてしまいました。


イタリアの片田舎の修道院から、

はるか彼方、ローカルな東洋の都市にたどり着いたお守りが、

再び、イタリアへと里帰りしたわけです。


それも偶然、霧で道に迷ったせいで、、。


このお守りはいつも身に着けているわけではありませんが、

海外ロケのときは必ず身に着けています。

今も大事に傍らに置いてありますが、

それを身に着けるたびに、

この不思議な偶然を思い出します。