「メゾソプラノとルネッサンス歌曲」

クラシックの声楽の世界ではソプラノがスターです。
しかし、私はソプラノよりちょっと低いメゾソプラノが好きです。
中でも贔屓の歌手は、イタリアのチェチリア・バルトリ。
最近太ってきていますが、なかなかの美形です。
イタリアは不世出のメゾ、ジュリエッタ・シミオナートをはじめ、メゾの宝庫です。
さて、なぜメゾが良いのかというと、
実力派のメゾは音域が抜群に広いのです。
バルトリのルネッサンス歌曲のDVDを持っていますが、
モンテベルディの、
上はソプラノから下はテナーの音域を自由自在に歌っています。
ソプラノだとこうはいきません。
ルネッサンスやバロックの歌曲はもともと女性が歌っていなかったのです。
歌っていたのは、カストラート。去勢された男性歌手が歌っていたのです。
カストラートはバリトン~メゾソプラノの音域を自由自在に操って歌っていたと言います。
ですから、男性の音域までカバーできないとルネッサンスの歌曲は歌えません。
ですから、メゾの登場となるわけです。
ルネッサンスは歌曲の宝庫です。
ほとんどが、宗教曲か世俗歌(マドリガル)ですが、
古典派、ロマン派より、はるかに親しみ深く、
クラシックの幼児教育を受けて、クラシックが大嫌いになった私が、
再び、クラシックを聴くようになったのも、このルネッサンス歌曲のおかげです。
普段はジェームス・ブラウンやバディ・ガイを聴いている私ですが、
リズム&ブルースを聴いたあとに、
自然に聴けるのがルネッサンスの歌曲です。