「フィルムネガとRawデータ」
ネガフィルム(もしくは)ポジフィルム、オリジナルプリントは、
それを撮ったフォトグラファーの創作の証であり、
著作権を証明するものです。
これまで撮った作品をずいぶん整理しましたが、
私の周りにはネガ、ポジを入れたボックスや、
オリジナルプリントが積んであります。
なんとなく、今までの自分の人生の証でもあるし、
時間の蓄積を感じる確たるものでもあるのです。
しかし、デジタルデータの場合は?
敢えて言えばRawデータがそうでしょうか?
DVDROMかハードドライブに記憶された無機質なデータは
単なる0と1の集合体であり、
あっという間に100個はコピーできてしまう
軽い存在にしか思えません。
私は写真の世界に入る前(約25年ほど前)は
コンピュータのプロフェッショナルだったので、
コンピュータに適した世界と、そうでない世界は
本能的に分かるつもりです。
デジタルカメラも初期から接してきましたが、
ルーティンでこなす仕事であれば、
これほど便利なものはありませんが、
自分を表現するものとしては
あまりに、軽いのです。
最近、フィルムが復権してきたとか
特に、写真学校の生徒さんとか
デジタル時代に育ってきた若い方に
夢中な人が多いと聞きます。
とてもその気持ちが分かります。
原始人が岩壁に絵を描いたのと同様、
描いたという実感のあるネガフィルムという物体が
手元にないと落ち着きません。
再び2眼レフを持ち出そうと思っています。
不便を承知で、撮って、
自分で現像しよう。
そう思うと、再び、元気がでてきました。