「まぐろは赤身!」
信じられない話ですが、
私が子供の頃、マグロのトロの部分は、
ハラスと言って、
脂くさくて、捨てていたそうです。
マグロと言えば、赤味だったのです。
それが、今や、美食の王様みたいになってしまいました。
逆に赤味は、
マグロの部位のヒエラルキーの底辺になってしまいました。
しかし、私は、敢えて
「マグロは赤身だ」
と主張したいと思います。
特に漬け(ヅケ)は素晴らしい。
脂の臭みがなくなり、身が絞まり
マグロの味覚を最大限に引き出すものだと思います。
少し前に、行き着けの鮨屋で、
大間のマグロのトロがあるというので、
試しに食べてみたら、
一っかん食べただけで、
気分が悪くなってしまいました。
逆に、ヅケは素晴らしく、
その味覚は、比較にならないほどでした。
私が推測するに、
日本人の食生活が変化して
脂っこいものを好むようになって、
舌の感覚が変化してきたのではないのでしょうか。
トロが好きな方には失礼だと思うのですが、
脂っこい食事を好むにしたがって、
日本人は、
味覚が鈍くなってきたように思います。