「プッチーニとヴェルディ」
フィレンツェのホテルブリストルでの撮影でのこと。
編集者の立ち会いがなく、
私とマネージャー氏の二人だけののんびりとした撮影になりました。
撮影をそそくさと済まし、お茶でもいただきながら、世間話になりました。
彼が、突然
「君はオペラに興味があるかね?」との問いに、
「少しは」と答えると、
「それではプッチーニとベルディのどちらが好きかね」との質問。
私は庶民的なプッチーニが好きなので、そのことを伝えると、
ニンマリとして「私もそうだよ。今日は私がランチをご馳走しよう」。
という意外な展開になりました。
私は、たまたま彼はプッチーニが好きだったのだ。
と考えていましたが、
あとで、イタリアではヴェルディよりプッチーニの方が
圧倒的に人気があるということを知りました。
確かにヴェルディは芸術性が高く、
イタリア以外の国でもインテリ層に人気があります。
私もヴェルディの芸術性はすばらしいと思いますが、
あまりにクラシックしているところが好きではありません。
そういえプッチーニの作品には水戸黄門的なところがあって、
同じストーリーを何度見ても、飽きず、毎回感動してしまいます。