「白バックに白を撮る」
というのは、
白という色を彩度が全くないものだと定義する場合、不可能です。
人の目には、
白い紙の上に白いタブレットが置いてあるように見えても、
写真上では、
グレーのバックにグレーのタブレットが置いてあることになります。
しかし、
タブレットは、質感を持っているので、
少々、グレーがかっていても気にならないのですが、
背景を完全な純白にしたいといった場合は、
撮影上の技術では、それは不可能になります。
フィルム時代には、
製版技術者やデザイナーさんに、
「背景切り抜いて、白にして。」なんて注文していましたが、
今はデジタル時代。
私は納品時点で、自分で、背景を完全にデータゼロ(R255,G255,B255)の状態にします。
速い話、切り抜くわけですが、
被写体にシャドウや、微妙なボケがある場合は、
製版屋さんには任せられません。
やはり、
写真を自然に見せるというのはカメラマンが一番なのです。
白バックで錠剤を撮るという仕事がありました。
私はあまり商品は撮らないのですが、
やっかいな被写体なので、ここは腕の見せ所と、引き受けました。
こういった撮影は技術的にとても勉強になります。
あとで、
人物やドキュメンタリーの撮影にも
意外なところで役に立ってくるものです。