由依ちゃんのトーク見て殴り書きしました
はやく元気になりますように。




由依side


朝からなんか調子悪くて、でも今日は午前からの軽い仕事だけだったからいけるだろうって頑張ってみて、悪化して今。

トーク送るのもきついくらいにはしんどくて。

誰か看病してくれいかなって。理佐が来てくれたらなって。

スマホの光がきついけど、頑張って共有カレンダー開いて後悔した。

一日がっつり撮影か…

知らないままわがままなふりして電話でもかけちゃったほうが楽だったな、
まぁ出ないだろうけど、

もういっそ知らなかったふりして電話しちゃおうかな

上手く力すら入らなくなってきた体をベッドに投げ出して考える。

あぁもうめんどくさい

ぼーっとした頭でなんとなく連絡だけ入れた。
電話はできない。
これが私の精一杯。


理佐side

今日は一日撮影の予定だったけど、何でか過去最高くらいに撮影が巻いて、スタッフさんたちとご飯でも行こうかっておやつとも夕ご飯ともとれない微妙な時間からゆったりと食事をする。

他愛もない話で盛り上がっていると、そばに置いていたスマホが光った。

立て続けに光るから気になっていると、私の前に座っていた気遣い上手なスタッフさんが「大事な連絡だったら困るし見なよ」と言ってくれる。

こういう場でスマホを見るのは嫌で周りの方に断って、席を立つ。

 「えっ…」

連絡を見て思わず声が出る。

送り主は由依。

 『きつい』
 『しんどい』
 『来て』

それだけ。
言葉からして体調不良なんだろうけど、心配になるような文面にとりあえず電話をかける。

結局繋がらず、急いで荷物を取りに席に戻って急用を伝え申し訳ないが、お金を置いてお店を出た。

お店のすぐ近くにあったドラッグストアで必要そうなものを手当たり次第買ってタクシーを捕まえる。

そんなに遠い場所にいたわけじゃないのに何時間もかかったような感覚でやっと由依の家の前に着く。

合鍵を使って入ると中は異常に静かだった。

 「由依ー?入るよー」

寝室のベッドの膨らみを確認して、とりあえず手を洗いに行く。

戻ってきて寝ている由依のおでこに触れるとかなり熱い。

 「んん…りさ…?」

改めて顔を見ると真っ赤で目も潤んでいて心が痛む。

 「色々買ってきたけどゼリーとかなら食べれる?」

 「…うん」

変な間からきっとあんまり食べたくはないんだろうなと察する。

 「食べれるところまででいいから」

そう言うと3口くらいで返されてしまったけど、これが今の由依の精一杯のようだったからえらいねって頭を撫でてあげるとへにゃりと笑う。

薬を飲ませてまた寝かせる。

 「スポドリここ置いとくからね」

 「…うん」
 「ねぇ…つめたいの…」

 「あるよ」

由依は風邪引くと決まって冷凍したスポーツドリンクを欲しがる。
凍ってて飲みづらいし、味も美味しくないのに何でか私にはよくわからないけどいつも買ってきてあげる。

ベッドサイドに置いてあげると安心したように寝た由依を見て、私も安心して片付けやら着替えやらをしに行く。

買ってきたものを片付けて、仕事のものも片付けて、自分の着替えをして、そういえば由依私服のままだったなって思い出して、着替えと蒸しタオルを持って寝室に戻る。

ベッドサイドに置いておいた冷凍のスポドリがなくなっていて、嫌な予感がする。

 「やられた…」

布団を軽く捲るとなくなったそれは由依に抱かれていた。

由依は風邪を引くとなぜか冷凍のスポドリを要求し、そしてなぜか抱き心地が悪いであろうそれを抱いて寝る。

おかげで布団も服もびちょびちょだし、私の入る隙がなくなる。

まったく…

私の場所を奪うそいつを取り上げようとすると由依が不機嫌に起きる。

 「…ぃや…!」

さっきまでぐっすり寝てたくせに

 「ほら、着替えよ?」
 「こいつのせいでびちょびちょだよ」

 「やだ」
 「それつめたくてきもちいもん」

 「暑いならクーラー下げるから」

 「やだー」

わがままな子は無視して着替えさせようと由依の服に手をかける。

 「なに、襲うの?」

これだから病人は厄介だ。

ため息をついて由依をちょっと睨むけど、当の本人はきょとんとしている。

 「着替えなって」
 「お仕事行ってそのままでしょ」

そういうと納得したのか「たしかにー」なんて笑っている。

蒸しタオルで汗を拭いて着替えさせてあげると気持ちよくなったのか、由依はまた例のあいつを手に取って寝ようとする。

だからあいつはどっかに放り投げる。
すごい音がしたし、たぶん水滴が飛び散っただろうけど、まぁあとで掃除すればいい。

 「ねぇ!」

怒ってやつのところに行こうとする由依を抱きしめてベッドに戻す。

 「はい、これでいいでしょ」

そう言って由依の背中を一定のリズムで叩いてあげると「りさあついー」なんて文句を言いながらもぞもぞとベストポジションを探して規則正しい寝息を立て始める。

汗でしっとりした前髪をかき分けて綺麗なおでこにそっと口付けをする。

お前にはできないだろとあいつにマウントを取って、
絶対にお前にはもうこの場所譲ってやんないと心の中で誓って私も意識を手放す。


はやく元気になってね