急にハロウィンまで時が戻ります。
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由依ちゃん視点
今日はハロウィン。
理佐はいつも余裕で私ばっかり余裕ないのが悔しいからドッキリを仕掛けようと思っている。
あえて理佐が嫌がるような露出度の高い服を着て、夜中に遊びに行こうとするという至ってシンプルなドッキリだけど、これは流石の理佐も焦るんじゃないかと思っている。
「由依…?そんな服来てどこ行くの?」
本当は私から仕掛けていくつもりだったけど、理佐から引っかかってくれたのならそれはそれで好都合。
「ん?友達とハロウィンパーティー!」
テンション高めにそう言うと理佐はあからさまに不機嫌そうな顔をする。
「私とは遊んでくれないの?」
予想外の発言に思わずにやけそうになるけど、どうにかそれを抑えて平然を装う。
「理佐とは明日も遊べるでしょー」
のらりくらりと理佐の不機嫌そうな雰囲気を避けるように返事をすると理佐は今度は難しそうな顔をし出す。
「んん…そんな格好で外出るの?」
「理佐ちゃんはやだな〜」
ここでやっと気付いた。
今までは私が理佐を手のひらで転がしている、優勢だと思っていたけど、私が理佐の手のひらで転がされている…
「で、でも可愛いじゃん…」
焦って少し吃りながらもそう口にする。
「可愛いのは分かるけど、そういう格好は私にだけ見せて欲しいよ?」
「で、でもさ…」
上手い言い訳を探していると突然理佐に押し倒される。
両手を地面に押さえ付けられるような形なのが不純にもゾクゾクする。
「っ…!」
「なんで私じゃダメなの?」
「私だけ見てて欲しいんだけど」
いつもに増して色っぽいその眼差しに目を逸らしたくなる。
必死に目を逸らしながら口にする。
「理佐しか見てないし…」
「んーでもそんな格好で行くなら他の人にもそういう誘ってる顔するんでしょ」
「見せないし、」
段々と熱のこもっていく理佐の目を見てそろそろやめないと後が怖いことを察しネタバラシを決心する。
「ね、ねぇ理佐…ごめん、これドッキリ…」
怒られるかと思ったけど理佐の反応は違っていた。
「ドッキリだからなに?」
「もっと私には由依の色んな表情見せてよ」
「え、ちょ…」
「もたもたしてないで早くベット行くよ?」