Small Wonders*もう1つの小さなヴァイオリニストたち* | noelleの小さな幸せ♡

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今回のジルベスターコンサートで演奏された曲に バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043」の第1楽章がありました。

この曲を聴いて思い出した映画があります。

「ミュージック・オブ・ハート」(原題Music of the Heart)1999年アメリカ

そして「Small Wonders ハーレムのヴァイオリン教室 ロベルタ先生と50人の子どもたちの奇跡」1995年アメリカ

Small Wondersはドキュメンタリー映画で 1996年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされました。

ミュージック・オブ・ハートは それを原作としたメリル・ストリープ主演の映画です。

 

―私たちはついに、憧れのカーネギーホールに立った。

1990年ニューヨーク市イースト・ハーレム。小学校のヴァイオリン教師ロベルタ・ガスパーリは、市の予算削減のために10年間続いたヴァイオリン教室存続の危機に立たされます。

何とかクラスを守ろうと音楽教育の大切さを訴えるロベルタ先生の姿は、やがてマスコミをも動かし、その呼びかけに大勢の人たちが支援に乗り出します。-Small WondersDVD紹介文より

 

私がこのドキュメンタリーを知ったのは 「ミュージック・オブ・ハート」のパンフレットででした。

「ミュージック・オブ…」ももちろん良かったですが 数年後に購入した「Small Wonders」のDVDは本当に感動。

今も「2つのヴァイオリンのための協奏曲」を聴くたびに思い出しては 時折観ています。

 

「ミュージック・オブ…」は映画ですから ロベルタ先生に纏わるドラマがたくさん追加されていて それはそれで良かったのです。先生の音楽を教える以外の仕事 音楽教育を守ろうと努力した部分も知る事が出来ます。

でも冒頭のシーンでヴァイオリン教室の危機について触れただけで あとは初めてヴァイオリンに触れた子供たちを淡々と追うだけのドキュメンタリーも どれだけ音楽が子供たちに良い影響を与えているのかが伝わって来て 初めて奏でるキラキラ星に毎回涙腺が緩みます。

貸出の楽器の数には限りがあり くじ引きでメンバーが決められるのですが当選者のほとんどは大喜び。でも中には事前に入った情報"厳しいレッスン"が嫌で泣き出し「そんなに嫌だったらやらなくていいのよ。」って担任の先生に言われる子も。…リアルですね(笑)

そう 先生のレッスンはとっても厳しいんです。何度も楽器を忘れたりやる気が無い子は出て行かせたり リハーサルに出られない子はメンバーから外したり。でも けして出来ない事を要求する訳では無いんですよね。

音楽家を育てている訳では無く 音楽を通して人間として必要な事を教えているんです。

「どんな子でもヴァイオリンは弾ける」と先生は言っていますが 彼女からは子供たちへの大きな愛情と信頼を感じます。だから子供たちもそれに応える。

彼らの表情は本当に豊かで その時の気持ちをそのまま伝えて来ます。

ロベルタ先生だけではなく 周りの先生方も音楽だけでなく芸術の必要性を感じている方々ばかり。みなさん本当に良い事を仰っています。そして子供たちの親も協力的。

 

クライマックスの アイザック・スターンやイツァーク・パールマンなど著名なヴァイオリン奏者を巻き込んでの カーネギーホールでのベネフィットコンサート。ここでプロの奏者と卒業生も含む子供たちによって演奏されたのが「2つのヴァイオリンのための協奏曲」でした。

集まったプロの奏者は ダイアン・モンロー アイザック・スターン イツァーク・パールマン マイケル・トゥリー アーノルド・スタインハート アニ・カヴァフィアン/アイダ・カヴァフィアン姉妹 カレン・ブリッグス ジョン・ブレーク・ジュニア そして五嶋みどり。日本人としては嬉しい限りチョコ

子どもたちの表情 アイザック・スターンやパールマンの温かい眼差し。それだけで心動かされます。

やり遂げた達成感と自信。この経験が 子供たちの今後の人生を豊かな物にするだろうと感じさせるシーンです。

個人的にツボだったのは アイザック・スターンやアーノルド・スタインハートが学校を訪問して指導をするシーン。いつもはお母さんの様に子供たちを見守り時には厳しく接する先生が この時ばかりは生徒たちと同じ様な真剣な表情や憧れの人と話す女学生の様な可愛らしい表情を見せるんですラブラブ

 

アカデミー賞候補になった「Small Wonders」を観て感激したミラマックスの社長と監督が権利獲得に奔走。アカデミー賞授与式の会場でロベルタ先生との契約を成立させたというだけあって 本筋は変える事なく作られている映画の方もなかなか面白いです。

 

映画の中のコンサートのシーン。

残念ながらみどりさんはいませんが ジョシュア・ベルなどドキュメンタリーの時とは違うプロの奏者が参加しています。

同じホールで同じ曲。映画化するとこういう違いが出てくるのですね。ドラマチックむらさき音符

そう言えば…

子どもたちを舞台に乗せる直前に先生が「心を込めて演奏してね。ここで弾くのよ。」と言いながら 自分の胸をおさえるシーンがあります。

Small Wonders」では先生は100%子供たちへ向けて話していますが 「ミュージック・オブ・ハート」は映画を観ている観客へ伝えなければいけませんので その様な映像になっています。

ドキュメンタリーの方はサラッと流れてしまっていますが映画は1つの見せ場となっていて ドキュメンタリーの良さと映画の良さと違う良さがあるなぁと。

 

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それにしても 美しいホールキラキラ

数年前このホールでのコンサートに参加するチャンスがありました。でも(私にしては)長期で家を空ける事でのnoelleの心配と 何より自分の不調のせいで叶いませんでした。

それは 私が会ってみたい3人の作曲家のうちの1人と会えるチャンスでもあったので本当に残念で…。

今はこの映画を観ると ちょっとだけ寂しい気持ちも湧いて来ます。

 

↑原因の1つは 我関せず…(笑)