今夜はクリスマスイヴ。
あちこちで「きよしこの夜」が響いている事と思います![]()
この曲にまつわるお話を記した本があります。
ポール・ギャリコの"「きよしこの夜」が生まれた日"
世界的に有名なキャロルの誕生 それは1匹のネズミから・・・。
これは 長らく出典不明の賛美歌で作詞作曲者不詳とされていた あまりにも有名な讃美歌「きよしこの夜」の誕生とその後に辿った道を ポール・ギャリコが残された資料を基に想像力で隙間を埋めながら綴った物語です。
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1818年12月23日の夜 オーストリアのザルツブルグ近くのオーベルドルフという小さな町の聖二コラ教会に 寒さと飢えに耐えかねたネズミが1匹もぐりこみます。ネズミはオルガンのふいごをかじり飢えをしのぎますが そのせいでオルガンは音を無くしてしまいました。
翌朝 それに気が付いたのは教会のオルガン奏者フランツ・グルーバーと司祭で音楽家のヨゼフ・モール。31歳と26歳の音楽の知識のあるまだ若い2人は クリスマスのミサのためにギターの伴奏で歌える讃美歌を短時間で仕上げ 大切なミサでこのような物を信者たちに受け入れてもらえるのかと不安を抱えながらその時を待ちました。結果 受け入れる者 そうでない者それぞれでしたが無事にミサは行えました。賛否両論 どちらの人もすぐに新しい年を迎える事に意識が行き この讃美歌はすぐに忘れられます。
時が経ち 教会に出入りのオルガンの販売や修理をしていて自身もオルガン奏者のカール・マウラッヒャーから写しを欲しいと申し出があり グルーバーは「二度と使わないと思うから」と自筆の楽譜を彼に渡してしまいます。この事で この曲の持つ魅力が投石によって発生するさざ波の如くどんどん広がって行きました。ただきちんとした形で伝わらず 耳で聴いて楽譜に起こした間違いのある物を出版されたり 「実は有名な作曲家が作った曲だ」というデマが囁かれたり・・・。いつしか作詞作曲者不詳のキャロルとして定着します。
誰もが愛する有名になったキャロルの噂は作者たちへも届いていたはずですが 彼らは声高に「我こそが作者だ」と訴える事はありませんでした。
モールは生まれが貧しい人でしたが 点々と場所を変えながら着任した地の教会区の人々の為に尽くし 天に召される時も貧しい状態だったそうです。残されたのはつぎだらけの礼服と祈祷書だけ。
グルーバーは小市民的ではありましたが音楽家として生活し 子供にも恵まれました。この子供が後に作者発見に関係しています。
どちらも 他に有名な作品という物は残していません。たった1曲 この曲だけが残されました。
"きよしこの夜 聖なる今宵のうたよ だれがあなたを作ったのか?"
"モールがこんなにきれいな詩をつくり グルーバーがメロディに仕立てました
神父と先生が力を合わせたのです"
グルーバーが教えていた学校にある額の中の言葉です。
有名になっても 隠す事はせずとも強く著作権を主張する事もなく・・・。でも今は この素敵なキャロルは確かにちょうど200年前のクリスマスに グルーバーとモールによって作られたとされているのです。
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こちらもクリスマスイヴにはぴったりな曲。
GLORIA「荒野の果てに」
今年最後のシュトーレンは 帝国ホテルのシュトレン。
何かが突出して香るという事が無くバランスが良い味で 夫もだいぶ満足そうでした![]()
美味しそうですね。
素敵な夜を・・・![]()
クリスマスに読みたい絵本。8歳の少女のシンプルな問いに答えたのは・・・。
こちらも素敵なお話です





