マリー・アントワネットが出て来る映画５本目。
「王妃マリー・アントワネット」（Marie-Antoinette）2006年 カナダ・フランスのテレビ映画を観ました。
手持ちのマリー・アントワネットが出て来る映画の中でも いちばん見返している作品です。
アントワネットがフランスに嫁いできてから 死刑判決後義妹へ最後の手紙を書くまでが描かれているのですが 冒頭に「この作品は歴史資料に基づき制作されている」とテロップが出るほど真面目な作り。
会話部分はアントワネットが残した書簡による物なのだそうです。
淡々とナレーションで物語りが進み NHKの再現ドラマみたいな地味な作りですが 時代背景などの説明が差し込まれたナレーションは解りやすく アントワネットやフランス革命について知るのにも良い映画だと思います。（実際にNHKで放送された事があるそうです）
物語は死刑判決のシーンから始まります。
ギロチンにかけるには邪魔な髪を乱暴に切られながら アントワネットはフランスへ来た日の事を想い出していました。
歓迎された輿入れの日から始まった アントワネットのフランスでの生活。
デュ・バリー夫人との対立。
ルイ16世の身体的な問題によって子供が授からない事での 周りの目に対するストレス。
ルイ15世の崩御によって王妃になり より厳しく細かい宮廷の作法・決まり事に縛られるストレス。
それらのストレスを発散するために浪費にパーティーに賭け事にと のめり込んで行くアントワネット。
子供が産まれパーティーや賭け事などの派手な遊びは無くなりますが 浪費癖は抜けず・・・。国民の怒りはアントワネットへ集中します。それでも深刻には受け止めず 時代は革命へ突き進みます。
フェルゼンとの恋 首飾り事件など ベルばらで読んだ記憶のある事柄がたくさん出て来ました。裁判中に 裁判所が息子の近親相姦の罪をでっち上げた所まで！池田理代子氏がいかに真面目に情報を収集し 作品に向き合ったのかが分かります。
この映画のアントワネットは 王妃としてのプライドを最後まで捨てず 彼女なりに一所懸命に考え行動をしています。ただ お姫様として生まれ宮殿から出る事無く王妃になり 外と中の生活があまりに違う事を知らなかっただけなのです。
子供と離された時以外は取り乱す事もあまり無く・・・。
実際のアントワネットとはかけ離れた あまりにもひどい当時の王妃を中傷する絵の入った印刷物などが画面に映し出された後の 義妹への手紙に表れているプライドと覚悟は迫って来るモノがあります。
肖像画のアントワネットの瞳はとても美しいのですが 映画のアントワネットも目がとても綺麗。
私の持っている本には アントワネットの書いた数通の手紙が紹介されています。その中の 届かなかった最後の義妹への手紙の中に「私には友人たちがいました。（中略）私が最後の最後まで、その方々のことを思っていたことを少しでもわかってもらえますように。」という部分があります。”友人たち”の中にはフェルゼンやポリニャック夫人も含まれているのでしょうか。
字幕つきは無かったのですが 冒頭部分の一部の映像がありました。NHKの番組の様な地味な感じですが この雰囲気がダメでなければ お勧め・・・かも。
「王妃マリー・アントワネット」（Marie-Antoinette）2006年カナダ・フランス
監督：イヴ・シモノー フランシス・ルクレール
脚本：ジャン＝クロード・カリエール
マリー・アントワネット：カリーヌ・ヴァナッス
ルイ16世：オリヴィエ・オーバン
ポリニャック夫人：マリー・イヴ・ボーリュー
フェルゼン伯爵：ダニー・ギルモア
ソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」と同年制作の作品なのですが おしゃれなアメリカ版に対しこちらは真面目。全く違う見せ方が面白い
私が持っているアントワネット関連のDVDは これで全てです。あとは本や雑誌なども観ながらミュージカルに向けて気分を盛り上げて行きたいと思っています
ZOZOTOWNの前澤氏がストラディヴァリウスのHammaをコレクションに追加したとニュースで見ました。
「今後、このストラディヴァリウスを世界中ぐるっと旅させます。そして、現地の音楽家の皆さまにもご協力いただきながら、その国や地域の子供たちの耳に、この力強くも繊細な奇跡の音色を届けていければと思います」とのコメントが良いですね
また台風のニュースが嫌な感じですが みなさま明日も穏やかな気持ちで良い１日を