いやーーーー、こわい(ダルい)!!!」やーくん

「もう?」オレ

勤務の最初に交わした言葉がこれです。


どうやら飲みすぎたらしい。
どうやら眠るタイミングを逃したらしい。

「いやーーー、帰りたい!!!」やーくん

「もう?」オレ

次の会話がこれです。


どうやら気分が乗らないようです。
オレの呪文を待ってるようです。

そうです、ホモネタです。


あのね、オレも疲れてんの。

2週間、ノンストップで働いてんの。

おまけに掛け持ちしてんの。


やーくん、オレの口撃を待ってます。
身構えてます。


とりあえず弁当を買いに行くことにしました。


ひたすら待つやーくん。


焼肉ほりぐちの店の前を通りました。

肉のすべてが生で食べられるのがウリの店です。

「やーくん?」オレ

やーくんのスイッチがオンになりました。

「あのね、ほりぐちの丸ホルモンって知ってる?輪っかのままで出てくるホルモン」オレ

「あー、丸ホルね」やーくん

「あれね、実はインチキの余った包皮なんだよ」オレ

やーくんのヒューズが飛びました。

ケラケラ笑ってます。

「あのね、オレね前にほりぐちに行ったときなんだけどね、丸ホル頼んだら、奥でインチキの声が聞こえたの『イテテテ!』って」オレ

やーくん、笑いすぎて頭から湯気が出てます。

コンビニに着きました。

オレはサンドウィッチ、やーくんはカツ丼を買いました。


待機場に戻って夜食タイム。

「包皮かあー」やーくん、さっきの話しを反芻してます。

「痛いんだろなー」やーくん、しみじみ。

「だいじょうぶ、切ったらすぐに倍の長さに伸びてくるから」オレ



「7号車、斜里(知床の入り口)に行って!」インチキ

どうやらオレたちはバチが当たったようです。


片道90キロ。

死の行軍です。


寝不足のやーくん、客車でスラローム運転。
どうやら眠りかけているようです。

吹雪の中の居眠り運転。

温かく見守るしかありません。


無事に到着しました。


「明日休むわ」やーくん

いつもの駄々っ子が始まりました。

帰る道中、ずっと「休む」を連発してます。


午前4時。
終業。

インチキのもとに駆け寄るやーくん。

インチキと一言交わしたあとに帰っていきました。


クルマの中を整理して、オレがインチキのところに向かいました。

「やーくん、休むって言ってた?」オレ

「うん」インチキ

「いいねー、うらやましいねー」オレ

「うん、気楽でいいよなー。オレなんか火の車だから休めないってのに」インチキ。

「それを言うなら、オレは火の肩ぐるまだよ」オレ

3秒ほど、お互いに無言になりました。

「お疲れ様ー、イタタタ」インチキ、痛めた足を撫でてます。


包皮を切られて痛がる顔と同じでした。


雪が止んだ寒空に、やーくんの笑い声が響いたような気がしました。