今回の主人公はモス時代の変態後輩・隆二です。
そう、長男なのに隆二。
オレたちは夜勤がメインでした。
夜7時出勤。
だいたい30分前に会社に到着します。
着替えて店に降りるんだけど、その日だけは何故か隆二に落ち着きが見られません。
「ど、どうした?隆二!」オレ
「いいい、イヤ、だ、大丈夫ですよ・・・」隆二
ドモリがいつもの3倍増。
いやな予感がします。
エレベーターに乗りました。
隆二の顔に大粒の汗。
微妙に震えてます。
奇妙な小刻みの隆二。
「ウウウウウ・・・・」隆二、かすかに唸ってます。
若干、白目むいてます。
「り、隆二、ど、どうした」オレ、密室で恐怖に震えてます。
ピタ!
隆二の震えが止まりました。
心なしか菩薩の表情に変化。
「良かった」オレの心がそうつぶやきました。
2秒後・・・・
ん?
違和感。
んんんん?
鼻腔に異常を感じます。
クサイ。
大便のカオリがします。
「ね、隆二、オナラした?」オレ
「いいいい、いや、し、しないですよ?」隆二
「いや、お前さっきと違うじゃん!震えが止まった瞬間にクサイし!!!」オレ
隆二、白状しません。
困ったことにニオイは一段と増していきます。
これは異常事態でございます。
1階に到着。
隆二が急いで降りていきました。
ニオイが気になるオレ。
エレベーターを降りるに降りられません。
隆二が立っていたのは操作ボタンの位置。
観察しました。
ん?
なんかある。
しゃがんでみました。
正露丸が一個。
顔を近づけました。
「ク、クサイ!!!!!」オレ
悪臭元です。
さらに観察。
ウンコです。
ウサギのウンコみたいなの。
直径5ミリの核弾頭。
破壊力は広島型の5倍はあります。
産み落としました。
隆二がエレベーター内で産み落としたのです。
それも、オレの目の前で。
トイレだって行く時間があったのに、わざわざエレベーターで脱糞!!!
直径5ミリの中に潜んだ致死量5万人分の悪臭。
慌ててエレベーターを降りました。
で、隆二のもとへ。
「い、いらっしゃいませぇえええ!!」隆二、いつものキモイあいさつをかましてます。
「ねえ、隆二」オレ
「は、はい」隆二
「あのさ、エレベーターの中でウンコしなかった?」オレ
「し、しないですよ・・・」隆二、顔色豹変
「だって、震えてたじゃん」オレ
「震えが止まったとたんにクサくなったじゃん」オレ
「ウ、ウンコなんかするわけないじゃないですか・・・」隆二
「じゃあ、なんで震えてた?」オレ
「じゃあ、エレベーターに落ちてたのはナニ?」オレ
ピクっ!!!
隆二が反応しました。
隆二、急に無口になりました。
「ちょ、ちょっと隆二、あれはなんだ?って訊いてるの!」オレ
「ガ、ガマンできなかったんでしゅ」隆二
白状しました。
「拾ってこい!」オレ
隆二、内股で走っていきました。
まだ、拭いてないようです。
オレの前を横切った隆二から、5ミリ以上の破壊力を秘めたニオイがオレを優しく包み込みました。
目の奥に激しい痛みを感じます。
夜間のピークが目前。
厨房のシンクでは隆二が手を洗わないで仕込んだらしいレタスがいつもよりまぶしく光って見えました。