今回も運転代行のバイトの話。


今夜は最近、ほかの代行から移籍してきたドライバーがバディ。

とにかくうるさい。常にケータイのゲームをしながら独り言を言ってます。

カレは借金大魔王・岸部シロー氏で知られるGREEの常連で、仕事中もひっきりなしに釣りゲームをやってます。
なにやら全国の猛者30人を集めた釣りチームの一員らしく、日々のゲームにもポイントのノルマがあるとのこと。

「あーーあ、ダメだねコイツ。ぜんぜんポイントを稼いでないじゃん!」
「なんだ?コイツ!こんなサカナしか釣ってないじゃん!」
S氏、仲間を最上段から見下ろしてます。


さて、このゲームでは毎日、見も知らぬグループのアホ仲間から(司令塔)連絡があるらしい。
「〇〇時までに1万点を注入してください」

は?
何それ?
聞いてみました。

「グループ制でポイント加算があって、大会の期限までに高ポイントを稼ぐと、そのグループにゲームで使う特製グッズ(釣竿とか)がもらえるの」

「でね、ゲームの司令塔はグループのナンバー2で、カレの指示で釣りに励むってわけ」S氏

はぁーーーーーーんっ。

鼻くそをほじりながら聞いていました。

バカバカしい。

見知らぬドアホに命令されてまでして、ゲーム中でしか使えない架空のグッズをもらえてそんなに嬉しいか?

オイ!

見知らぬドアホに「あなたの今日の注入ポイントは〇点です。今日はライギョを釣ってください」って指図されて、ヒーヒーいいながら寝る時間を削って、珍魚を釣ってて楽しいか?

オイ!

見知らぬドアホ=ゲームオタク(無職)。
大概そうです。

S氏、この司令塔とは友達のリンクをしてないらしい。
ほかのチーム仲間とはしてるのに、なぜかS氏とだけはリンクしてないらしい。


S氏がいいました。

「ねぇ、リンク申請出してみようかな。ウフッ」ホッペが赤い!

普通はリンクするものです。信頼関係が必要なグループなら。


「したらいいんじゃない?」オレ(ナマ返事)

「よし、送信!」S氏

リンク申請を出しました。


5分後。
返事が来ない。

30分後。
返事が来ない。

「あれーー?どうしたんだろ?」S氏

S氏、堪りかねて自分のところの足跡をチェックしてみました。

来てます。
カレはきちんとS氏のメッセージを受け取ったあと、しっかりとS氏のところに来ていました。品定めです。


「リンク未承認」

・・・・・・。

どうやら気に入られなかったようです。撃沈。玉砕。無縁仏。

S氏、呆然です。臭い口が半分開いたままです。

一気に老け込みました。

あれほどのマシンガントークがブラックホールのような静けさに変わりました。

かなりのショーーーーーック!

ケータイを持つ手が震えてます。


さらに20分後、
「ピコ!」

カレのケータイにメールの着信がありました。

一気に広がる笑顔。イボイボだらけの鼻の穴がスイカの入る大きさまで広がりました。

「来た!」S氏

メールを開封。
司令塔からです。

「〇〇時までに1万点注入してください」
承認メールではありませんでした。


車内の温度が一気に下がりました。


震える手でケータイを持つS氏。

無言のまま、悲しそうな瞳で1匹50点のサカナを釣り始めました。

釣れました。

5点の昆布が釣れたようです。