12月2日(日)。日本武道館。プロレスリング・ノア小橋建太復帰戦に行ってきました。この瞬間に立ち会えたことをホントに光栄に思います。




久々に行った武道館でしたけど、やっぱ雰囲気がいいですね。九段下の紅葉の坂道を登って、武道館の門を潜り抜けると何か自分までも決戦に臨むような気持になります(笑)



会場に着くと、人・人・人。当日の立ち見券も売られていたので、始まる頃には超満員。八角形の武道館の席をぐるっと見渡すと蜂の巣のようでした。

いや~、今日は1試合目からメインの小橋を期待する熱気で会場が出来上がっていましたね。試合カードを発表するアナウンスでやんややんやの大歓声。



それに後押しされるように、また「いつまでも小橋さんに頼っていられるか」という選手の気迫が伝わり、復帰戦以外の試合も面白かったです。

特に若手の活き活きした試合が良かったな。青木は既に若手とは思えない風格が出ていたし、金丸と鼓太郎の攻防もスピーディ。ブキャナンでかすぎ!小川vsKENTAの遺恨も勃発!行った人達でラーメンマンと呼んでいた外国人レスラー、エディの頑張りも良かった。まさか石森からピンを取るとは!丸藤vs森嶋もお互いの持ち味を活かした熱線でしたが、やっぱ森嶋強い!一発一発の重みが違う。人間凶器。丸藤の受けっぷりも良かったな。あと田上休みすぎ!でもそれが良い味を出してるんだよなぁ。あ、レフリー、マイティ井上の蹴りも良かった(笑)


と、他の試合も大盛り上がりでしたが(普段ならこれだけで満足)、今日のこの後の尋常じゃない盛り上がりには勝てませんでしたね。セミの丸藤vs森嶋戦の興奮冷めやらぬまま、待ってましたとばかりに、どこからともなく聞こえる怒号のような「コバシ」コール。もちろん自分も叫びまくりです。


まず秋山が入場。「小橋さんが居るからノアに決めた」とノア設立時に言うほど、小橋を兄のように慕い、また良きライバルでもある秋山。小橋の復帰を一番望んでいたのではないかという秋山の入場で、すでに自分の涙腺が緩む。


そして、秋山のパートナーである三沢が入場かと思いきや、今度は高山のテーマが!おお、交互に入場か。高山のテーマに会場全体の手拍子が一体化する。高山もいろいろありましたからねー。今日のこの試合は、高山の脳梗塞からの復帰戦で用意された黄金カード。しかし小橋の癌が発覚し、幻となったカードであり、高山も待ちに待った試合が出来ると気合入りまくり。(小橋欠場で、急遽代役で試合を務めた佐々木健介の漢気にも当時涙したものです)


そして、お次はGHCヘビー級王者、三沢の入場。つい「ミ、サ、ワッ!ミ、サ、ワッ!」とコールしたくなる「スパルタンX」はやはりいいですね。ノア社長として、また小橋の良きライバル・理解者として、今回の小橋の病気、そして復活はどういう心境だったんだろう。最近は年齢の衰えを感じずにはいられないですが、今日はカリスマ三沢のオーラ全開でした。


そして、いよいよあの男が目の前に。もう待てないとばかりに自然発生するコバシコール!前ふりのアナウンスとともに、小橋復活を願ったファンからの紫色の折鶴が披露される。と、「GRAND SWORD」が流れ、黒いガウンを着た小橋登場!ゆっくりと観客を見渡しながら歩く小橋の姿。もうね、大の大人5人で観戦してたんですけど、みんな自然と手を叩いて小橋コールですよ。傍から見たら、おかしいと思われる光景かもしれませんが、この日はもう自然と。後から聞くと、この時点でみんな涙ぐんでいたとか。


ここで試合前に記念の写真を。2階席からの携帯のズームなんで粗いですけどね。みんなデジカメやら携帯で撮っていて、奇麗なイルミネーションが小橋を祝うかのように会場を包み込んでいました。




小橋がリングインしてガウンを脱いだら、どよめきが。病気や食事制限などで、ほっそりした身体になったのは否めませんが、ビルドアップされた褐色の肌。プロです。プロレスラー小橋建太が帰ってきました!でも、病気が病気なだけに観ている方も複雑な心配な気持ちになります。



で、試合の方の詳細はテレビ等で流れているので、印象に残ったシーンを抜粋。

・試合開始前、高山が先発と思いきや、秋山が小橋を指名し、会場大小橋コール!
・コーナーでの小橋のチョップと高山のキックの連携。
・三沢のエルボー、秋山のニーのエグい攻め。小橋が倒れる度に、身体は大丈夫かと心配に。
・小橋のチョップに、三沢、秋山の胸板真っ赤。
・三沢が小橋の攻撃をカットするとブーイングが起きる(さっきまで、みんな三沢コールしてたのにw)
・秋山の攻撃に耐えた小橋が、怒りの形相でヌクッと段々立ち上がっていく姿。間と表情でも小橋は闘えるレスラーだなと再認識。
・小橋、まさかのムーンサルト。膝は大丈夫か。ホント命を削る月面水爆。
・秋山にマシンガンチョップ。倒れて、二ヤリと笑う秋山(やられているのに、嬉しそう)。コーナーでガッツポーズで興奮する高山。
・小橋のスリーパースープレックス、ハーフネルソンスープレックスにグニャリとなる秋山、三沢。
・バーニングハンマーは、疲労しきったのか失敗。
・高山のエベレストジャーマン、小橋の剛腕ラリアットの凄まじい連携に「勝ったか?」と思うほど。
・試合後半は、会場全体が重低音ストンピング攻撃の嵐。
・三沢のエメラルドフロウジョンをはね返す小橋。
・そこまでやるかという奥の手、秋山が小橋を担いでのコーナーからの三沢の雪崩式エメラルドフロウジョン。


と、こんな感じでしょうかね。試合が終わると選手全員ノーサイド。小橋の体調を心配しそうに見守る3人。そして、試合終了と同時に鉄柵付近まで詰め寄ってくる狂喜乱舞のファン。勝者・三沢のテーマ「スパルタンⅩ」が鳴っているのに、会場はそれに合わせて「コ!バ!シッ!コ!バ!シッ!」の大コールがまたしても自然発生的に。小橋は立ち上がると3人と固い握手を交わし、リングを降りようとするが、高山と秋山がロープを広げ、花道を歩くように小橋をエスコートする。それに応えて花道を渡って帰る小橋。


矢島アナ風に言うと、今回は「試合には負けたけど、ガンに打ち勝った小橋の勝利」ですね。改めて、プロレスは結果だけじゃない、その人の人生・生き様が反映されるドラマがあるなと。

そして、花道でファンからの花束を受け取り、何度も声援に応えて手を降る小橋。「勇気をありがとう」という垂れ幕も目立ってましたね。最後は会場一体となり大団円。ホント、プロレスを好きで居てよかった。小橋をずっと観てきてよかった。


家路に着き、録画予約したノア中継を後で見ようと思っていたけども、いてもたってもいられずオンタイムで深夜1時半から観てしまいました。病魔と闘う小橋のドキュメントから始まり本日の試合へ。実況の矢島アナが入場時から感極まって、声が震えているところで、自分も既に貰い泣き。途中、小橋の苦労を身近で知っているパートナーの本田多聞も解説席で漢泣きしている姿がテレビに映り、自分もまた貰い泣き。ゲスト解説のベイスターズの仁志も、一言二言喋るのが精一杯で言葉少なく感極まっている様子にまたまた貰い泣き。実況、解説としては駄目なんでしょうけど、余計に感情が伝わりました。みんなの小橋・愛が伝わって最高でした。

というより、プロレス好きなら、この命を削って闘っている勇姿を観て泣かずにいられる方が不思議ってもんです。

これも小橋の持つ人望ですよね。ファンはもちろん、レスラーにも愛される小橋。いつも自分のことよりファンを一番に優先にする小橋。ガンの告知を受けた翌日、誰にも言わずにファン感謝イベントに出席していたくらいですから。常に「ファンが待っているから。ファンが望むなら。」が口癖で。

もう少し身体を労って欲しいのだけど、こういう小橋建太だからこそ、みんながついてくるんですよね。周りがとめようとも、生涯プロレスラーを続けそうだし。もう「小橋の人生=プロレス」ですから。試合後の診断も良好だったようで、ひとまず安心。こうなったら、これからも小橋の生き様をとことん見届けたいと思います!勇気と感動をありがとう!一生ついていきます!