小学4年の時に母が死んだ。
小学6年の時に北海道から東京へ転校。
中学の時は片親しかいないことでイジめられた。
高校では父が一時過労で入院、晩御飯が食えないことはよくあることだった。
大学生の時、はじめて恋人が出来るが父の病気の関係から入院し恋人どころではなくなったので別れた。
翌年、車にはねられ足を骨折。
父に心配かけまいと病院から電話して毎日元気だよと言った。
3ヶ月後父は病状が回復し退院、その1ヶ月後に自分が退院。
退院して家に帰ると父がいなかった。
次の日の朝、父は帰ってきた。
「すまない時間がかかった」父はそう言ってスーパーの袋から高級な肉をどさどさ出した。
びっくりした、最初は正直盗んできたのかと思ったがちゃんと買った物だ。
僕が疑っていたのを知っていたかのように購入した証拠のレシートを出した。
次に親父に殴られた。
入院していたのを黙っていたこと、そして親父は言った「俺を殴れ」と。
こんな頼りにならない親父だ、お前は俺を殴る権利がある。
お互いに殴り合い、疲れたところで肉を焼いた。
ごはんと肉と野菜の簡単な組み合わせだったけど、とても美味しかった。
時計を見ると午後8時だった。
同時に親父も時計を見ていた「もうそろそろか」と親父は言った。
何がもうそろそろ何だ?と聞いたら「すぐ分かる」と親父が言った。
10分ほどしてインターホンが鳴った。
親父が出ろと言うので、玄関のドアを開けてみた。
すると恋人がいた。泣いてた。俺も泣いた。親父だけが笑ってた。
それから現在に至るまでずっと楽しい生活を送ってる。