質素なお弁当 | 泣けるBLOG

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泣ける話を集めました。

もう、すごく昔の話。
小学2年のとき父が交通事故で逝ってしまったので、弁当がそれからしばらく白飯に梅干とか漬物とかそんなんばっかりだったときがあった。
でも子供ながら事情はなんとなくわかっていたので、別に気にしていなかった。

運動会の時、ウチの母は仕事で来れなかったんだけど、
「遅くなるけど迎えにいくからね」と運動会の後の片付けが終わった夕方頃、迎えに来たんだけど、そのとき、クラスのコがそのコのママに「私も○○ちゃんみたいなご飯のお弁当がいい」って言ったのを聞いて母は真っ赤になっていた。

そのコには悪気はなかったんだけど、母は恥ずかしかったんだと思う。
何日かたってから、大根煮たのとかサトイモとか質素だけどおかずが入るようになった。

でもね、近所の農家で深々と頭を下げてお礼を言っている母を見つけたときは、つい隠れてしまった。
それから帰って母に「お漬物のお弁当がいい」って言ったのを覚えてます。母は泣いてしまいました。

そんな母を3年前くらいですが、銀座の道場六三郎さんのお店に連れて行ってあげました。
「美味しい、美味しい」って言いながら食べてました。
私はそんな母を涙を浮かべながら心の中で「ありがとう、ありがとう」といいながら見つめてました。