この怖いBLOGを更新しているといつも後ろから誰かに見られているような視線を感じてパソコンから目を離せなくなる。
後ろはおろか、右も左もみたくない気持ちでいっぱいだ。
右側にはテレビが置いてある。
よく聞く話だが、テレビを消すと画面に人の顔が映っていた。等の話をよく聞くので右はあまりみたくない。
左側はベランダになっている。
左側がベランダになっているんだけど窓の向こうから誰かにのぞかれているような気配がするので、左側もみたくない。
後ろはたんすがある。
このブログでも紹介した事のある不気味な女ってのがたんすの前に立っていそうなので後ろは振り向きたくない。
足元
テーブルの下に足を突っ込んでいるんだけど、そこからがバッ!!と足首を掴まれそうな気がして怖い。
まぁ今日はゾンビ肉も食べた事だし大丈夫だと思う。
後ろはおろか、右も左もみたくない気持ちでいっぱいだ。
右側にはテレビが置いてある。
よく聞く話だが、テレビを消すと画面に人の顔が映っていた。等の話をよく聞くので右はあまりみたくない。
左側はベランダになっている。
左側がベランダになっているんだけど窓の向こうから誰かにのぞかれているような気配がするので、左側もみたくない。
後ろはたんすがある。
このブログでも紹介した事のある不気味な女ってのがたんすの前に立っていそうなので後ろは振り向きたくない。
足元
テーブルの下に足を突っ込んでいるんだけど、そこからがバッ!!と足首を掴まれそうな気がして怖い。
まぁ今日はゾンビ肉も食べた事だし大丈夫だと思う。
俺は関西の大学3回生。
一人でアパートの部屋で寝ている時、白い着物を着た、目の細い若い女に首を絞められてる、らしい。
らしい、というのはどうも夢の記憶が曖昧だからだ。
朝起きたときに咳き込んだり、一種の不快感があるのは覚えている。
でも、普通に起きている時は今までその女が何回夢に現れたか覚えてない。
それどころか、夜中にそんな夢を見ているという記憶すら忘れてる。
だが、実際夢を見ている時と起きた直後は詳細にその女を覚えているようだ。
四日前の朝、ふと机を見ると一冊のノートに俺が書いたらしい文章を発見した。
「また糸目の女に首を絞められる夢を見た」
「白い服着た糸目の女。無表情。力、強い」
「ほとんど毎晩出てくる。朝には忘れてる。やばい」
「人に話せば忘れない。大学で。相談しろ」
と、以上の事が殴り書きされていて、かなり切羽つまってた感じ。
俺は気味悪いな、とは思ったが信用せずに悪い夢見たんだろと結論付けて大学に。
3日前の朝。またノートに殴り書き。
「マジで出てくる。本当だった。ヤバイ」
「寝る度に、何度も出てくる」
「信用してくれ昼間の俺。」
ここで初めて、俺は毎晩夜中に幽霊に殺されかけているのだ、と実感した。
その文のお陰で微妙に思い出せた事は、夢とは思えないほどリアルな、のし掛かった感触。
それを、大学の食堂で話題にしたのが二日前の昼。
どうも毎晩近く幽霊に首を絞められている、という話をツレにあっさり笑われて流されてしまい、そんなに困ってるならK先輩に相談しろ、高野山出身らしいから詳しいやろ、と言われた。
偶然近くの席で食事していたK先輩に、相談を持ちかけてみた。
しかし、やはり開口一番、
「アホ。幽霊なんぞおるわけないやろ。お前が実際に変死でもしたらちっとは信用したるけど」
と言われ、俺は返す言葉もなくヘコんだ。
実際、自分が死んでる姿を思い浮かべてしまった。
どうも高野山出身なだけで、先輩自身は完璧な無神論者らしく幽霊なんぞ全然信じてない様子。
部屋に帰って少しばかり対策を練ったが何も思いつかずにいると、K先輩がいきなり来た。
どうも俺のツレから住所を聞いたらしく、自分の部屋から仏教グッズをどっさり持ってきてくれた。
「ほれ、高野の数珠5,6個。盛り塩。首に掛ける袈裟。あと、弘法大師のポスターな」
「幽霊なんておらん。だけど、安心して眠れないのは病気の元になる」
「寝る前にこの般若心経のコピー読め。それでも幽霊見たら病院連れてったる」
グッズの説明をした後、K先輩はさっさと帰った。
高野山出身というだけで霊相談をされたり怪談ネタの提供を求められるらしく、帰郷するたびに近くの店でこの類のモノを買い求めてくるらしい。その日の夜は安心して床についた。
四隅に盛り塩。首に袈裟。手足に数珠。ポスターは・・・一応壁に貼ってみる。
そして昨日の朝。俺はすごいスッキリした気分で目が覚めた。
いつもの起床とは段違いに新鮮な気分だったので、
「ああ、俺は本当に毎晩嫌な夢を見ては無理に起きてたんだな」と痛感した。
まぁ幽霊がもう出ないと決まったわけでは無いが、興奮してその日の昼にツレに話しまくった。
すると、俺の話は初耳だったという別のツレが、
「え?K先輩が部屋に来たんか?ならもう大丈夫ちゃう?」とあっさり言われた。
気になったので詳しく聞くと、実はK先輩は口は悪いが反面、世話好きで人望も厚いらしい。
だから高野山出身ネタの為にオカルト幽霊話には必ず引っ張りだされるらしいが、そこに集まる自称・幽霊が見える人達によれば、K先輩には特殊な波動やら精神性やらがあり、そこに先輩が居るだけでタチの悪い霊程度なら消し飛ばしてしまうらしい。ただし、先輩には自覚なしで。
居るだけで霊を追っ払ってくれるので、怪談をする時は大変重宝されているそうだ。(矛盾してないか?)
その先輩が部屋に来てくれたという事は、俺の話す白い幽霊もどこかへ飛ばされたんと違うか?という事。
俺はへぇ~と感嘆して部屋に帰った。まぁ先輩の話が本当でも一週間は様子を見ないと。
で、今日の朝。スッキリ気分でお目覚めでした。ちなみに仏具は使いませんでした。
どうももう大丈夫な感じです。2,3日したら先輩に仏具を返しに行くついでにお礼も言っとこうかと。
ちなみに幽霊の方は消されたのか飛ばされたのかわかりません。先輩本人は無自覚な為。
一人でアパートの部屋で寝ている時、白い着物を着た、目の細い若い女に首を絞められてる、らしい。
らしい、というのはどうも夢の記憶が曖昧だからだ。
朝起きたときに咳き込んだり、一種の不快感があるのは覚えている。
でも、普通に起きている時は今までその女が何回夢に現れたか覚えてない。
それどころか、夜中にそんな夢を見ているという記憶すら忘れてる。
だが、実際夢を見ている時と起きた直後は詳細にその女を覚えているようだ。
四日前の朝、ふと机を見ると一冊のノートに俺が書いたらしい文章を発見した。
「また糸目の女に首を絞められる夢を見た」
「白い服着た糸目の女。無表情。力、強い」
「ほとんど毎晩出てくる。朝には忘れてる。やばい」
「人に話せば忘れない。大学で。相談しろ」
と、以上の事が殴り書きされていて、かなり切羽つまってた感じ。
俺は気味悪いな、とは思ったが信用せずに悪い夢見たんだろと結論付けて大学に。
3日前の朝。またノートに殴り書き。
「マジで出てくる。本当だった。ヤバイ」
「寝る度に、何度も出てくる」
「信用してくれ昼間の俺。」
ここで初めて、俺は毎晩夜中に幽霊に殺されかけているのだ、と実感した。
その文のお陰で微妙に思い出せた事は、夢とは思えないほどリアルな、のし掛かった感触。
それを、大学の食堂で話題にしたのが二日前の昼。
どうも毎晩近く幽霊に首を絞められている、という話をツレにあっさり笑われて流されてしまい、そんなに困ってるならK先輩に相談しろ、高野山出身らしいから詳しいやろ、と言われた。
偶然近くの席で食事していたK先輩に、相談を持ちかけてみた。
しかし、やはり開口一番、
「アホ。幽霊なんぞおるわけないやろ。お前が実際に変死でもしたらちっとは信用したるけど」
と言われ、俺は返す言葉もなくヘコんだ。
実際、自分が死んでる姿を思い浮かべてしまった。
どうも高野山出身なだけで、先輩自身は完璧な無神論者らしく幽霊なんぞ全然信じてない様子。
部屋に帰って少しばかり対策を練ったが何も思いつかずにいると、K先輩がいきなり来た。
どうも俺のツレから住所を聞いたらしく、自分の部屋から仏教グッズをどっさり持ってきてくれた。
「ほれ、高野の数珠5,6個。盛り塩。首に掛ける袈裟。あと、弘法大師のポスターな」
「幽霊なんておらん。だけど、安心して眠れないのは病気の元になる」
「寝る前にこの般若心経のコピー読め。それでも幽霊見たら病院連れてったる」
グッズの説明をした後、K先輩はさっさと帰った。
高野山出身というだけで霊相談をされたり怪談ネタの提供を求められるらしく、帰郷するたびに近くの店でこの類のモノを買い求めてくるらしい。その日の夜は安心して床についた。
四隅に盛り塩。首に袈裟。手足に数珠。ポスターは・・・一応壁に貼ってみる。
そして昨日の朝。俺はすごいスッキリした気分で目が覚めた。
いつもの起床とは段違いに新鮮な気分だったので、
「ああ、俺は本当に毎晩嫌な夢を見ては無理に起きてたんだな」と痛感した。
まぁ幽霊がもう出ないと決まったわけでは無いが、興奮してその日の昼にツレに話しまくった。
すると、俺の話は初耳だったという別のツレが、
「え?K先輩が部屋に来たんか?ならもう大丈夫ちゃう?」とあっさり言われた。
気になったので詳しく聞くと、実はK先輩は口は悪いが反面、世話好きで人望も厚いらしい。
だから高野山出身ネタの為にオカルト幽霊話には必ず引っ張りだされるらしいが、そこに集まる自称・幽霊が見える人達によれば、K先輩には特殊な波動やら精神性やらがあり、そこに先輩が居るだけでタチの悪い霊程度なら消し飛ばしてしまうらしい。ただし、先輩には自覚なしで。
居るだけで霊を追っ払ってくれるので、怪談をする時は大変重宝されているそうだ。(矛盾してないか?)
その先輩が部屋に来てくれたという事は、俺の話す白い幽霊もどこかへ飛ばされたんと違うか?という事。
俺はへぇ~と感嘆して部屋に帰った。まぁ先輩の話が本当でも一週間は様子を見ないと。
で、今日の朝。スッキリ気分でお目覚めでした。ちなみに仏具は使いませんでした。
どうももう大丈夫な感じです。2,3日したら先輩に仏具を返しに行くついでにお礼も言っとこうかと。
ちなみに幽霊の方は消されたのか飛ばされたのかわかりません。先輩本人は無自覚な為。
当時付き合っていた彼女を家まで送り帰る途中普段帰る道ではなく裏道を通って帰ることにしました。
その道は信号も無く家まで最短のルートでしたが道幅が狭いのがネックでした。
ただ深夜ということもあり大丈夫だろうと何気なくその道を選択しました。
途中、見とうしの良い橋のあるT字路を右折するのですが、ウィンカーを出してハンドルを切った位の所で急に右前にヘッドライトが現れ白いアウディ(ちょい古めモデル)が突っ込んで来ました。
見とうしの良い所だったのでそんなはずは無いというのが正直な感想でしたが時すでに遅く急ブレーキを掛け首を引っ込めた視界の隅には1メートル先に迫った車が…
「ぶつかる!」とっさに全身に力が入り目をつぶってしまいました。
車はタイヤのスリップ音を残し停車し、その後の衝撃に備えていましたが、何も音は聞こえてきませんでした。
「ギリギリで助かったか?」と思い相手の車を見ると、そこにあるはずの車が見当たりません。
道幅は狭いので自分の車の横を通ることはできません。
バックしたところで見とうしが良いのですぐに見つけることが出来るはずです。
川に落ちたのかもしれないと思い車から降りて見に行きましたが見当たりませんでした。
心臓がバクバクしながら家に帰り、まだ起きていたオヤジにその事を話すと
「寝ぼけたんじゃないか?」と笑われました。
1週間後運悪く駐禁で捕まり(地元で油断してた)警察署へ出頭した時切符を切られながらお巡りさんに
「○○橋で白い車が突然飛び出してきたと思ったら消えた」
と話すとおまえは寝ぼけながら運転してるのか?みたいなことを言われかなりムカついた。
するとその横にいた刑事っぽい人(スーツ姿)がその話聞いた事あるなと会話に入ってきた。
以前、車が川に落ちたかもしれないと通報してきた事があり2.3回出動したと言う事だった。
通報してきた人は自分が体験した内容とほぼ同じ内容で、急に車が飛び出してきてぶつかったかもしれない…と言う内容だったそうです。
そして続けて「白のアウディだろ?」と言われた時に背筋が凍りました。
自分はその場で一度も白のアウディなんて口にしていないのに…
ちなみにその橋で大きな事故や死人が出た事はないそうです。
その道は信号も無く家まで最短のルートでしたが道幅が狭いのがネックでした。
ただ深夜ということもあり大丈夫だろうと何気なくその道を選択しました。
途中、見とうしの良い橋のあるT字路を右折するのですが、ウィンカーを出してハンドルを切った位の所で急に右前にヘッドライトが現れ白いアウディ(ちょい古めモデル)が突っ込んで来ました。
見とうしの良い所だったのでそんなはずは無いというのが正直な感想でしたが時すでに遅く急ブレーキを掛け首を引っ込めた視界の隅には1メートル先に迫った車が…
「ぶつかる!」とっさに全身に力が入り目をつぶってしまいました。
車はタイヤのスリップ音を残し停車し、その後の衝撃に備えていましたが、何も音は聞こえてきませんでした。
「ギリギリで助かったか?」と思い相手の車を見ると、そこにあるはずの車が見当たりません。
道幅は狭いので自分の車の横を通ることはできません。
バックしたところで見とうしが良いのですぐに見つけることが出来るはずです。
川に落ちたのかもしれないと思い車から降りて見に行きましたが見当たりませんでした。
心臓がバクバクしながら家に帰り、まだ起きていたオヤジにその事を話すと
「寝ぼけたんじゃないか?」と笑われました。
1週間後運悪く駐禁で捕まり(地元で油断してた)警察署へ出頭した時切符を切られながらお巡りさんに
「○○橋で白い車が突然飛び出してきたと思ったら消えた」
と話すとおまえは寝ぼけながら運転してるのか?みたいなことを言われかなりムカついた。
するとその横にいた刑事っぽい人(スーツ姿)がその話聞いた事あるなと会話に入ってきた。
以前、車が川に落ちたかもしれないと通報してきた事があり2.3回出動したと言う事だった。
通報してきた人は自分が体験した内容とほぼ同じ内容で、急に車が飛び出してきてぶつかったかもしれない…と言う内容だったそうです。
そして続けて「白のアウディだろ?」と言われた時に背筋が凍りました。
自分はその場で一度も白のアウディなんて口にしていないのに…
ちなみにその橋で大きな事故や死人が出た事はないそうです。
自分が大学生の時の話。マジで思い出したくない。
自分が学生の時の友達にA君という奴がいた。
A君には中学くらいのときから付き合ってるBさんという彼女がいて、いつもどこに行くにも一緒ってくらいのラブラブ(死語?)っぷりだった。
そんなある日、Bさんが交通事故で亡くなった。
それ以来、A君は前までの明るかった性格が一変し、暗く塞ぎ込みがちになりそのうち大学にも来なくなっていった。
心配した友人一同は何回もA君の住んでるアパートに行ったりもしたんだがA君は大抵留守で、たまに部屋にいても居留守を使われる始末だった。
そして2ヶ月ほど経ち、みんながA君のことを忘れ始めた頃にひょっこりA君は大学にまた来始めた。
それは以前のような明るい性格のA君だったのだがどこか影があるように感じられ、顔はやつれ目は落ち窪んでいた。
どこか変わってしまったA君を他の友達は避け始めたんだが、自分だけはけっこうA君と仲が良かったので付き合いを続けた。
しかしどうもA君の話しがおかしい・・
自分「なあ、A。あんまり考えすぎるなよ。落ち込むのはわかるけどそんなんでこれからどうするんだよ?」
A 「大丈夫だよ。毎晩ちゃんとBが俺に電話で励ましてくれてるから。」
自分「え!? 何言ってるんだよ?」
A 「Bってばかわいいよな。俺の気持ちを察して電話掛けてきてくれるんだ。それのおかげでなんとか大学にも来れるようになったんだし。」
A君は虚ろな目で自分を見ながら言う。
自分「しっかりしろよ! Bちゃんは死んだんだよ!」
A 「しっかりするのはお前のほうだよ! Bは生きてる。ちゃんと俺に電話もくれるし・・・・・・・」
憤りながらも生気のない声で自分にまくしたてるA君に自分はゾッとした。
自分はA君がちょっと尋常じゃない精神状況にあると感じ、病院に行くことを薦めたが、いっこうに聞く耳もたない様子。
その時は自分も思い余ってつい、
自分「じゃあおまえの部屋連れて行けよ! 俺がBちゃんと直接話すから!」
今思うとこんなこと勢いで言うんじゃなかったと激しく後悔しているのだが・・・
その日の夜、自分はA君の部屋に行き普通に飯食ったり、テレビ見たりして時間を過ごした。
その時一緒にいるぶんにはA君に特に変わった様子もなく、ふと時計を見るともう午前2時を過ぎていた。
(やっぱりA君はちょっと精神的に疲れてるだけだな。しばらく様子見ってことで大丈夫だろう。)なんて思っていた矢先だった。
突然A君が立ち上がりながら言った。
A 「ほら、来た来た」
自分「え!? 何が?」
ビックリしながら自分は聞いた。
A 「何って、話しただろ。Bから電話が来たんだよ。」
そう言ってA君は電話に向かって歩いていく。
そしてA君はおもむろに“鳴ってなどいない”電話の受話器を取るとさも誰かと話しているように楽しげに会話している。
よくよく聞くと今日の大学での出来事とか自分が部屋に遊びに来ていることなどを話している。
自分「電話なんか鳴ってないだろ~!!」
急に怖くなった自分は叫びながらダッシュでA君に近づき受話器をもぎ取った。
隣で「何するんだよ!」とか喚き散らしてるA君をシカトして、自分は受話器に向かって大声で言った。
自分「誰なんだよ! イタズラならたち悪いぞ! いい加減にしろ!!!!!」
しかし受話器からは何も聞こえてこない。ウンともスンとも言わない受話器に自分は少しホッとしてA君に言った。
自分「なんにも聞こえね~ぞ。ただの無言電話じゃね~か! いい加減に・・・」
そこまで言った時にふと気が付いた。自分は“鳴ってない”電話の受話器を耳に当てていた。
普通、鳴ってない電話の受話器を取ると「ツ――――――――――」とかいう
音が聞こえるはず。なのに受話器からはひたすら無音だった。
胸の奥から恐怖がものすごい勢いでこみ上げてくる。
受話器を耳に当てたまま完全に固まってしまった自分に受話器から女性の、しかし図太く耳障りの悪い声が。
「お前こそ誰だ」
自分は受話器を床に投げ捨ててダッシュでその部屋を出た。
何故かA君がその時今までみたこともないような顔でニヤニヤ笑っていたのを覚えている。
それ以来、自分は完全にA君を避けた。
しばらくしてA君はまた大学に来なくなり、風の噂で退学したということを聞いた。
自分が学生の時の友達にA君という奴がいた。
A君には中学くらいのときから付き合ってるBさんという彼女がいて、いつもどこに行くにも一緒ってくらいのラブラブ(死語?)っぷりだった。
そんなある日、Bさんが交通事故で亡くなった。
それ以来、A君は前までの明るかった性格が一変し、暗く塞ぎ込みがちになりそのうち大学にも来なくなっていった。
心配した友人一同は何回もA君の住んでるアパートに行ったりもしたんだがA君は大抵留守で、たまに部屋にいても居留守を使われる始末だった。
そして2ヶ月ほど経ち、みんながA君のことを忘れ始めた頃にひょっこりA君は大学にまた来始めた。
それは以前のような明るい性格のA君だったのだがどこか影があるように感じられ、顔はやつれ目は落ち窪んでいた。
どこか変わってしまったA君を他の友達は避け始めたんだが、自分だけはけっこうA君と仲が良かったので付き合いを続けた。
しかしどうもA君の話しがおかしい・・
自分「なあ、A。あんまり考えすぎるなよ。落ち込むのはわかるけどそんなんでこれからどうするんだよ?」
A 「大丈夫だよ。毎晩ちゃんとBが俺に電話で励ましてくれてるから。」
自分「え!? 何言ってるんだよ?」
A 「Bってばかわいいよな。俺の気持ちを察して電話掛けてきてくれるんだ。それのおかげでなんとか大学にも来れるようになったんだし。」
A君は虚ろな目で自分を見ながら言う。
自分「しっかりしろよ! Bちゃんは死んだんだよ!」
A 「しっかりするのはお前のほうだよ! Bは生きてる。ちゃんと俺に電話もくれるし・・・・・・・」
憤りながらも生気のない声で自分にまくしたてるA君に自分はゾッとした。
自分はA君がちょっと尋常じゃない精神状況にあると感じ、病院に行くことを薦めたが、いっこうに聞く耳もたない様子。
その時は自分も思い余ってつい、
自分「じゃあおまえの部屋連れて行けよ! 俺がBちゃんと直接話すから!」
今思うとこんなこと勢いで言うんじゃなかったと激しく後悔しているのだが・・・
その日の夜、自分はA君の部屋に行き普通に飯食ったり、テレビ見たりして時間を過ごした。
その時一緒にいるぶんにはA君に特に変わった様子もなく、ふと時計を見るともう午前2時を過ぎていた。
(やっぱりA君はちょっと精神的に疲れてるだけだな。しばらく様子見ってことで大丈夫だろう。)なんて思っていた矢先だった。
突然A君が立ち上がりながら言った。
A 「ほら、来た来た」
自分「え!? 何が?」
ビックリしながら自分は聞いた。
A 「何って、話しただろ。Bから電話が来たんだよ。」
そう言ってA君は電話に向かって歩いていく。
そしてA君はおもむろに“鳴ってなどいない”電話の受話器を取るとさも誰かと話しているように楽しげに会話している。
よくよく聞くと今日の大学での出来事とか自分が部屋に遊びに来ていることなどを話している。
自分「電話なんか鳴ってないだろ~!!」
急に怖くなった自分は叫びながらダッシュでA君に近づき受話器をもぎ取った。
隣で「何するんだよ!」とか喚き散らしてるA君をシカトして、自分は受話器に向かって大声で言った。
自分「誰なんだよ! イタズラならたち悪いぞ! いい加減にしろ!!!!!」
しかし受話器からは何も聞こえてこない。ウンともスンとも言わない受話器に自分は少しホッとしてA君に言った。
自分「なんにも聞こえね~ぞ。ただの無言電話じゃね~か! いい加減に・・・」
そこまで言った時にふと気が付いた。自分は“鳴ってない”電話の受話器を耳に当てていた。
普通、鳴ってない電話の受話器を取ると「ツ――――――――――」とかいう
音が聞こえるはず。なのに受話器からはひたすら無音だった。
胸の奥から恐怖がものすごい勢いでこみ上げてくる。
受話器を耳に当てたまま完全に固まってしまった自分に受話器から女性の、しかし図太く耳障りの悪い声が。
「お前こそ誰だ」
自分は受話器を床に投げ捨ててダッシュでその部屋を出た。
何故かA君がその時今までみたこともないような顔でニヤニヤ笑っていたのを覚えている。
それ以来、自分は完全にA君を避けた。
しばらくしてA君はまた大学に来なくなり、風の噂で退学したということを聞いた。