本当は怖い半沢直樹の世界 | 怖いBLOG

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人気ドラマ『半沢直樹』と同じ世界で生きています
そしてみんな飛ばされる…
現役銀行員匿名座談会本当はこんなに怖い
「銀行員のお仕事」


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数百人の同期がいても役員になれるのは、ほんの一握り。ほぼ全員が関係会社に〝出向〟になるのが銀行員


出世レース、派閥争い、パワハラ、当局との軋轢—。どんな組織にでもありそうな話だが、とりわけ銀行はえげつない。ドラマ『半沢直樹』のリアルな世界をメガバンク行員が赤裸々に語り合った。


【責任はなすりつけるもの】
関東メガA 半沢直樹は5億円の融資の焦げ付きを見事に回収して、彼を陥れようとした支店長を逆にマニラに出向させたね。もちろん、ドラマだから過剰な演出も目立つけど、本当の銀行の世界では、あれ以上に陰湿な責任のなすりつけあいが行われている。

関東メガB かつて、うちの英国の支店で、ドラマと同じく5億円の損失が発生したことがあったんだけど、責任を取らされたのは現地の外国人社員だけだった。案件に関与した担当課長、担当副支店長、担当支店長の誰一人として責任を取ろうとはしなかったね。それどころか、担当課長は自分の関与を隠蔽しようとさえしていた。

関西メガC ドラマにも出てくるけど、『部下の手柄は上司のもの。上司の失敗は部下の責任』を地で行くような話だね(苦笑)。

関東メガB 当時は合併した直後くらいでね。5億円の損失はこちらのラインで起きた話なので、あちらサイドからは「ざまあみろ」みたいな目で見られて、本当に悔しかったなぁ。

関西メガC そういや、だいぶ前だけど、1000億円規模の海外での損失隠しを命じられた都市銀行役員が心労のためか、会議の席上に脳出血で倒れて帰らぬ人になったじゃない? あれは、りそな銀行だったか。

関東メガA 合併前のことだけどね。亡くなった役員についてはマスコミに「戦死」と報じられたが、あれは無理難題を上役から押しつけられたあげくの「過労死」だよ。
結局、我々にとって出世に一番影響があるのは、やっぱり、損失や不良債権処理の問題だね。

関西メガC そう、貸したカネを焦げ付かせてしまえば、すぐ本店に知れ渡るし、上司の出世にも影響が出るし、本人の出世の道は閉ざされかねない。

関東メガB メガバンクは旧行間でポストを争っているから、上司たちは自分や出身母体に責任が及ぶのがいやなわけ。オレがある不良債権案件を処理しようとしたら「お前、余計なことすんなよ。オレたち旧○○銀行の責任問題になるだろ!」と怒鳴られたことがある。自分の保身のために処理すべき案件を処理したがらない姿勢には、心底怒りを感じたね。

関西メガC だいたい、銀行という組織自体が不平等にできている。
たとえば学閥。半沢が勤める東京中央銀行は慶応閥が比較的強い某都市銀行がモデルと言われているけど、うちは東大閥と京大閥が主流で、人事を含めて行内ではこの2大派閥が主要ポジションを握っている。要は入行時点から、その人物がどこの大学出身かによって、その後の出世コースがあらかた決まっているようなものなんだ。


【付け届けはもらうもの】
関東メガA そのとおり。銀行は典型的な学歴社会で、うちだと東大法学部や東大経済学部卒の新入行員たちはまず山手線内側の業績のよい支店に配属され、その後、本店に戻されたり、留学したりするんだ。そして、彼らが支店長や課長になるときは、都内の大企業と取引がある優良支店に配属されるようになっている。

関東メガB 逆に非エリートの支店長は業績アップを焦るあまり、無理な貸し出しをして不良債権を作るハメになったりする。

関西メガC 銀行マンの出世の分岐点になるのは、2回目に配属された場所。ド田舎の支店に転勤させられたら、いくらそこで営業成績を上げたとしても、本店の人事部は「ランクが底辺の店舗のトップ」としか見ない。逆にロンドンや丸の内などに勤務していれば、たとえそこでの成績がビリだったとしても本店に戻って出世コースに乗ることができるんだな。

関東メガA ただ、中堅の支店に配属されても、優秀な上司に目をかけられるようになれば、出世の道はうんと開けやすくなる。銀行員の出世は、若いうちにどんな上司に巡り会うかにも大きく左右されるんだよ。

関東メガB 出世競争には派閥の影響も非常に大きい。いかに派閥とうまく付き合ってくかが銀行員の生きる道なんだ。引き上げてもらうためには敵対する派閥の動向をスパイしてまでポイントを稼ごうとする。もちろん、ご注進の際には、自分の同期のマイナス情報もそれとなく耳に入れる。

関西メガC もちろん、派閥に入ったからといって安泰でもない。うちの銀行でかつて、超優良顧客に役員自ら融資内容を説明する機会があって、その際に部下が数字を間違えて資料を作ってしまった。その席に頭取も同席していたからもう最悪。資料を作った部下はその派閥の「若頭」といったポジションだったけど、即座に関連会社、しかもグループ内で一番小さな会社に出向になった。
 それまでは優秀な人材として評価されていたのに、出世の道は完全に閉ざされたと言われているね。

関東メガB でも、俺は昔、一度だけ上司に逆らったことがあるんだ。

関東メガA おお、リアル半沢直樹(笑)。

関東メガB いや、内容は半沢直樹とは逆なんだけどね。バブル時代、土地を担保にガンガン融資していたときに、上司に慎重になれと融資をストップされたんだよ。それで口答えしたら、「君、そろそろ異動の大事な年だということがわかってやっているんだろうな」と脅されたりして……。今になってみれば、この上司が言っていたことが正しかったとは思うけどね。

関東メガA 減点主義というのがオレたちの世界。問題を起こせばバツが付くから、自分が出世するためには、自分はもちろん、上司にいかにバツを付けずに仕事をするかが大切になってくる。たとえば、融資を焦げ付かせた場合なんか、共同責任として関係者全員にバツが付いちゃうからね。

関東メガB ただ、バツというのは一律じゃないよ。中には自分はバツ1つなのに、部下にはバツを3つ付ける支店長もいる。

関西メガC そのため部下は減点を恐れるようになり、危ない融資は断るしかなくなってくる。でも、付き合いのある会社だと、相手の窮状が手に取るようにわかるだけに断るのは本当につらい。

関東メガB 倒産寸前の会社から豪華なお歳暮やお中元が来ることもあった。5万円もする牛肉だとか。送り返せないようにナマ物を送ってくるんだな。だからといって、融資するはずがないんだけど。

関東メガA 町工場を経営していた半沢の父親は銀行の融資を打ち切られ、首を吊って死ぬんだけど、あれと似たようなケースは、銀行の営業なら誰でも経験しているんじゃないかな。支店長や課長の連中は「焦げ付いたか、まあ想定内だ」と、人の死に対しても感覚が麻痺している。それを見て、オレは銀行内での出世をあきらめた。そうまでして偉くなりたくはない。

関西メガC だけど、貸し倒れをやらかしたときの担当者は惨めだぜ。対策会議の最中に全員の前で上司から罵倒され、資料の分厚いファイルを投げつけられるなんてのは当たり前。あげく、「カネを取り戻すまで帰ってくるな」と怒鳴りつけられ、顔をこわばらせて飛び出していく行員をこれまで何人見てきたことか。


【不倫はやめられないもの】
関東メガA 本当に昔はパワハラがひどかったみたいだね。バブル前夜のこと。ある一流銀行の営業店で、ノイローゼになった行員が支店長に金属バットで殴りかかったなんて話も聞いたことがある。当時の銀行は警察の大物OBを抱え、マスコミにも太いパイプがあったから、表沙汰にはならなかったらしいけど。

関西メガC 今はさすがにそこまで追い込まれることはありえないけどね。半沢直樹じゃないんだから、いくら上司に言われても融資先の隠し口座を押さえて回収なんてできるわけない。

関東メガB ドラマでは融資先の社長が愛人に隠し口座を託すけど、中小企業の社長さんって、愛人を囲っている人が結構多くない?

関東メガA 自分の経験から言うと、経理の女性が奥さんでない場合、まず、愛人と見て間違いない。

関西メガC オレは倒産寸前の会社の社長愛人から、新地の飲み屋で接待されたことがあるよ。あれは、一種の色仕掛けで、融資を受けようとしたのかな。残念ながら壇蜜ほどエロくはなかったけどね(笑)。

関東メガA 女性問題は銀行マンにとって出世の障害。とくに行内不倫は一発でアウト。即左遷ですよ。

関西メガC でも、みずほコーポレート銀行(当時)の頭取はテレビ局の女性記者と路チュー写真がフライデーされたのに、まったく平気だったじゃないの。

関東メガA ヘンな例を持ち出さないでよ(苦笑)。あれは旧富士銀行、旧第一勧業銀行、旧日本興業銀行の三つどもえのお家事情が背景にあったために、誰も頭取に辞任を迫れなかったというのが真相だよ。

関西メガC いずれにしても、銀行マンにとって行内不倫はリスクが大きすぎる。とくに若いうちの不倫がバレたら、出世コースからは完全に脱落だね。でも、わかっていても行内不倫はあるんだよなぁ。
 銀行員は行内結婚が多いんだけど、それだけ銀行内は男女の関係が濃密だってこと。一般職と総合職の不倫も同じくらいある。噂が広まった次の人事異動で男がいなくなるなんてのはザラだよね。

関東メガA それを知った同期たちは密かにほくそ笑むというわけだ。

関東メガB 人事部から定期的に回ってくるアンケートも嫌な感じだったなぁ。項目の中に「賭博をやっていませんか」「借金はありませんか」なんて設問が入っている。正直に「借金がある」なんて答えたら最後、評価はがた落ち。裏を返せば銀行というところは博打もせず、借金もなく、早く結婚して、生真面目に働いている人間しか評価しようとしない。

関西メガC 減点競争に敗れた銀行マンの行き先も惨めだね。まず、地方の弱小支店へ左遷させられる。

関東メガA せっかくマイホームを建てたのに、入居した途端に転勤という例も珍しくないよ。
 しかも、左遷先で結果が出ないと、40代で「黄昏研修」と呼ばれるセミナーに参加させられ、やがて「出向」というコースが待っている。

関東メガB 若い年代での出向は人材交流の意味合いが強いんだけど、50代での出向は「肩たたき」と同じこと。もう銀行には戻ってこられない片道切符だ。

関西メガC 今春、消費者金融会社に出向していた元役員が副頭取に抜擢されて銀行に復帰し、業界内で大きな話題になったけど、これは例外中の例外。今は出向先があるだけ、まだマシと考えたほうがいい。

関東メガA ドラマで身につまされたのは、社宅住まいの奥さん同士のお付き合いシーン。実際、社宅では旦那の役職で奥さんたちの序列も決まっていく。序列が逆転すれば、相手にへりくだるのが銀行マンの妻の常識。それをしないと奥さん仲間のイジメに遭ったり、旦那の昇進にも影響してきたりするから、我慢するしかないんだよね。ほんと、カミさんには迷惑をかけた。


【銀行はしがみつくもの】
関西メガC ドラマよりも恐ろしいのは、国税の存在だね。マルサは数十人単位で、いきなり銀行に乗り込んでくる。それでも、トップは支店長に挨拶したりと、態度は慇懃なんだけど、その部下たちときたら「動くな!」と恫喝してきたり、付箋を貼った伝票をわざわざ床に投げつけて我々にコピーさせたり、とにかく態度がデカくて上から目線。
 しかも、マルサは「何の調査で来た」と絶対に言わない。銀行側が情報を隠すと思っているから、無関係な書類から何からすべて取り上げる。おかげで、査察の日はまったく仕事にならなくなってしまう。

関東メガB 金融庁の検査も恐ろしいよね。ゼネコンを担当していた僕の先輩は前もって破綻懸念先の資料を別の場所へ『疎開』させておいたので、事なきを得たんだけど、検査官からは別の融資先についても「こんなの正常債権じゃないだろ!」と執拗に責め立てられたとよく聞いたな。

関東メガA 昔は銀行が大蔵官僚を接待して査察がいつ入るかを暗黙の形で教えてもらっていたから、資料の『疎開』も可能だったんだ。ところが、その後、ノーパンしゃぶしゃぶ接待が明るみに出て、今では金融庁への対処のしようがなくなってしまったんだね。

関西メガC そのくせ、いまだに銀行には派閥抗争や出世第一主義の責任転嫁などが旧態依然として残っている。役員になれるのはほんの一握り、それ以外は全員飛ばされるんだから、今時の若いヤツは「こんな理不尽に耐えられない」と銀行を去っていくのも多い。
 けど、我々のようにもう40代半ばになって住宅ローンの返済を抱えた身としては、そんな銀行でもしがみつくしかないというのが正直なところなんだ。

関東メガA 半沢と違って「やられたら、倍返し」ができないのが、中年バンカー。だからこそ「半沢直樹」は痛快なんだよなぁ。




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やられたらやり返す!!倍返しだ!!