全員の立ち位置を何度も確認。(この人はココにやこの人とこの人を入れ替えてという具合に)エキストラが少ないためかスタッフの人も私の隣に入ったり、 メンバーもエキストラと同じ役周りに入っている。
エキストラの中にメンバー達が紛れhozzyさんのみが前に立つ。バックで音楽が流れ出しhozzyさんが歌い出す。我々は音楽に合わせ体を揺らす訳でもなくただ、じーっと見ているだけ。寒い中動かず立っているだけなので余計に寒い。カメラが止まると周りからエキストラ達の「寒い」と言う声が聞こえる。でも、メンバーの人たちはカイロを張りまくっていたとか。
Hozzyさんが一曲歌い終えると我々エキストラの立ち位置を変え、今度は違うメンバーが前に立ち歌い始める。その繰り返しだ。前で歌うメンバーたちだけが曲に乗っている。田中さんはもっとロック風に動いて下さいと言われ頭を激しく振り髪の毛がかなり乱れている。(毎回ライブでこんな動きをするなら一曲ごとに休ませて欲しいと田中さんがポツリ)、や他にもリーダーの動きは貴族?だと他のメンバーたちが言う。そんなメンバー達の会話を聞きながら撮影は続く。何度も同じ曲を聴いていたのでいつの間にか歌詞を覚えてしまった。大音量で歌うメンバー達、周りには普通に家も建っており、勿論バスなどの車も通る県道もある。近くを通る人やバスに乗車した人が何事かとこちらを見ている。しかし、この辺の人はいつも当学校で撮影が行われているので慣れているようだ。
陽が傾くにつれ段々と寒さが増してくる。相変わらず寒さに震える私は本番の掛け声でピッタっと震え止まる。ほんの少ない休憩時間に頂いた紙コップ1/3程度のホット麦茶がとてもおいしく体が温まる。その休憩時間もホット麦茶を飲む時間くらいしかなく飲み終えるとすぐに再開である。温まった体もすぐに冷えだす。
次のカットでhozzyさんの隣に子供のエキストラが立つ。するとhozzyさんが“寒くない?”などと言う様な会話が聞こえる。するとその子供エキストラは寒くないと答える。さすが子供は風の子と昔から言うだけある。でも多少は寒さに震えている様に見えるのは自分だけかな?
更に陽は傾く。予定時刻が過ぎてもまだ撮影が終わる気配を感じない。だんだん撮影照明の光がはっきり見えてくる頃、一人の男性スタッフが全裸になる。周りのエキストラ一同がビックリした様な声を上げる。全裸で待たされながら周りでは違うスタッフ達が照明の角度などを調整している。待たされる方は恥ずかしいやら寒いやれでやってられないであろう。
そのシーンをラストにやっと撮影が終わった。周囲は既に暗くなっている。控え室に戻ったエキストラたちは上着を着込んで帰路に付く。私たち電車組みは車で駅まで送って頂いた。歩くと約15分くらいかかるところ車だと5分ほどだ。
『完』
『完』