映画 『ラフ』 エキストラ日記 1 | きまぐれにっ記

きまぐれにっ記

北欧 バルト三国 モロッコ 南アフリカの旅行記

自宅から電車とバスに揺られる事約30分、三浦半島にある海の見える病院へと向かう。目の前はもう海である。駅から同じバスで来た人は病院関係者かと思い余り気にもせずにいたがどうやら同じエキストラの人たちらしい。病院内のロビーで受付を済ませると二階の控え室へと通される。まずそこで男性5人女性6~7人のエキストラで役分けを行う。入院患者役と外来患者役それに受付嬢と看護士・医者役と分けられる。その中で私はスポーツマンタイプ(実際はスポーツマンでないのだが)と言うことでスポーツで怪我をして入院した患者役として選ばれた。

 他のエキストラは全員現場へと連れて行かれる中、私一人が控え室に残される。待ち時間に私の腕にギプスを装着、普通の白くて首から吊っているギプスではなく、まるで、鎧を身にまとったように体全体を巻き付ける感じで左腕を常に半分上げている状態だ。(姿勢強制ベルトの様にも見える)(なんだかとても痛々しい)

窓の外には曇っている為東京湾がどこまでも続いて見える。東京湾はとても穏やかで大型タンカーやつり船が浮いている。耳に入って来る音は振り子時計のカチッカチッと言う音のみで実に静かである。
 
本を読んだり窓の外を眺めながら一人で30分くらい待っていただろうか、スタッフの一人がパジャマを着たん入院患者役の男性エキストラを一人連れて帰って来た。そのエキストラの人は足に白いギプスを着けるらしい。真ん中で切れている足型をした白いギプスで足を挟み込む様に装着し太目の包帯でグルグル巻きに。彼は松葉杖の練習をしている。(彼もまた役とは言え痛々しい)

 私は、出番が来る前にトイレに行こうとトイレの個室に入るがこんな格好でどの様に用を済ませれば良いのか、またまた難儀である。トイレから帰るといつの間に他のエキストラも帰って来ていた。残念な事にこの12人程度のエキストラの約半分の人の出番が終わりだそうだ。全く出番が無くなった人もいれば患者役から看護士役に変わった人もいる。看護士役や医師役の人はとても衣装が似合っていて違和感が全くない。だから本当に自分が入院してしまったかのような錯覚を覚える。

そして・・・。『続』